大分県内の外国人労働者、過去最多 欠かせぬ「貴重な戦力」 19年まとめ
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大分合同新聞 2020/02/08 03:01
〔写真〕本田重工業佐伯工場で溶接作業に従事するフィリピン人技能実習生(左)=佐伯市
外国人労働者過去最多7368人 欠かせぬ「貴重な戦力」中小で活用進む 大分県内19年まとめ 大分労働局がまとめた2019年の県内の外国人労働者数(10月末現在)は7368人で、18年同期と比べ17・8%増加した。07年に届け出が義務化されて以降、最多となり、7年連続で過去最高を更新した。人手不足の影響で外国人材の需要は高まっており、国が推進する高度人材や留学生の受け入れが進んでいることも要因とみられる。
国籍別では、ベトナムが2397人で2年連続の最多。中国の1347人、フィリピンの1060人と続いた。伸び率はインドネシアがトップで前年同期比35・4%増。ベトナムやインドネシアは日本と経済連携協定を結んでおり、介護人材などの流入が加速している。
外国人を雇用する事業所は1369カ所。前年から225カ所増え、過去最多となった。事業所規模では30人未満が863カ所(2733人)で全体の約6割。「中小企業では大手より人手不足が深刻化し、外国人材の活用が進んでいるためでは」と同労働局。
産業別では製造業が2610人で全体の3割以上。宿泊・飲食サービス業(947人)、農・林業(718人)、教育・学習支援業(712人)と続いた。
在留資格別では技能実習が全体の約半数の3796人。次いで留学生などの「資格外活動」(1616人)、「身分に基づく在留資格」(908人)、「専門的・技術的分野」(874人)―だった。
フィリピン人の技能実習生約40人が溶接作業に従事する本田重工業佐伯工場(佐伯市、造船業)は、同国の公用語タガログ語や英語で作業上の注意を記した看板を設置するなど労働環境を整備。球技大会をはじめ作業員同士の交流の場も設けている。同工場業務室の小寺彰課長(60)は「勤務態度は真面目で無駄がなく、貴重な戦力として欠かせない存在」と評価する。
国は人手不足に対応するため19年4月に新在留資格「特定技能」を創設。外国人の受け入れを拡大している。同労働局は「今後も外国人労働者は増える見込み。適切な雇用管理を周知啓発していく」と話した。