第65回 休講脱線 メジロしいスンズメエの巣の話

今年もお盆は小豆島で過ごしました。短い期間でしたが、思わぬ発見がいくつかありました。

その一つは家の裏の南天に作られた、直径7センチほどの小さなお椀のような巣です。インターネットで調べるとすぐにメジロの巣であることがわかりました。妻が今年6月に帰島し同じ南天の枝を切り落としたときはなかったそうです。見つけた巣はもう空でしたから、おそらく7月に営巣し巣立った後だと思われます。

メジロはスズメよりも小さな小鳥で、早春に梅や椿で蜜を吸っている姿をよく見かけます。しばしばウグイスと混同されることは、以前、筆者の「ささなき通信」に知ったかぶりをして書きました。でも巣を見たのは今回が初めてでした。

多くの鳥は、地面でも樹上でも、何かの支えの上に巣を作ります。ところが、メジロは細い枝に丸い可愛い巣をゆりかごのように宙ずりにしています。オンライン野鳥図鑑によれば小さな巣に4〜5個の卵を産み、抱卵開始後11日で孵化し、その後11〜12日で巣立つそうです。

もう一つの発見は、台所の窓から見上げる軒下に作られたスズメバチの巣です。一説によると小鳥のスズメは、籾(もみ)を食べる害鳥なので農民から嫌われて、死んじまえ⇒スンズメエ⇒スズメと呼ばれるようになったそうです。スズメバチという名は「雀のように大きな蜂」からきたものと言われていますが、刺されると死ぬ恐れがあるという意味では、人間をスンズメエとばかり攻撃してくるのがこのハチだと言ってもいいかもしれません。

3年ほど前にも同じ田舎屋の珊瑚樹にスズメバチが巣を作ったことがありました。その時は業者に頼んで駆除してもらいましたが、2万円も取られるのは損なので、今回は決死の思いで身体を完全に被服で覆って殺虫剤をかけ、棒でたたき落としました。

ウイキペディアは、スズメバチについて「日本で最も危険な野生動物であり、熊害や毒蛇の咬害よりもスズメバチによる刺害の死亡例の方が遥かに多い」と書いています。今回は20センチほどの小さな巣だったのでなんとか無事に自力駆除ができましたが、大きな巣の場合は業者に頼むほかはないのかもしれません。

メジロの巣もスズメバチの巣も見つけたのは妻です。小豆島でのお盆の第3の発見は、甲長が30センチ近くある大きな大きなクサガメでした。とはいえ、これを近所の小川で見つけたのは、島に来た小学校2年生の孫でした。結局、私が発見したものは何もありません。それでも自然の不思議を楽しんだお盆休みでした。

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