第219回 「NPO働き方ASU-NET」への移行に向けてただいま準備中です。

テロップニュースでご覧のとおり、「働き方ネット大阪」はいま「NPO働き方ASU-NET」への移行を準備中です。近くNPO法人の申請手続きを行う予定ですが、認証までに4か月を要すると聞いています。以下、とりあえず、ご参考までに設立趣旨書をアップしておきます。

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                      設立趣旨書

                                                                              特定非営利活動法人 働き方ASU-NET
                                                                                         設立代表者 森岡孝二

                           

1. 趣旨

 近年の日本では雇用・労働分野の規制緩和と就業形態の多様化にともない、労働者の働き方が大きな社会問題になってきました。

 総務省「労働力調査」によると、この四半世紀のあいだに、全労働者に占めるパート、アルバイト、派遣、契約社員などの非正規労働者の割合は、17%から35%に上昇しています。とくに女性は結婚・出産後に正社員として働き続けることが難しく、子育てが一段落して再就職するにしても、パートその他の非正規労働者として就労せざるをえない状況に置かれています。また、近年では若年労働者の非正規比率が高まり、15歳から24歳の年齢層では、男女ともほぼ2人に1人は非正規労働者になっています。

 パートタイム労働者を中心とする短時間労働者の増加にともない、男女計の平均労働時間は減少してきましたが、フルタイム労働者、とりわけ男性正社員は、過労死が大きな社会問題になって四半世紀を経た今も、平均週52〜53時間、年間約2700時間余り働いています。厚生労働省が毎年発表している「脳・心臓疾患と精神障害等に係る労災補償状況」から推定すると、過労自殺を含む過労死は、減るどころか大きく増えています。とくに近年は、職場のいじめ・パワハラやブラック企業的な働かせ方が広がるなかで、30代から20代、なかには10代の若い労働者の間で過労自殺の増加が大きな問題になっています。

 製造業のグローバル化と衰退が進み、多くの中小企業が経営難に喘ぐなかで、大阪における雇用・労働の実態は、総じて他の府県より厳しいと言われています。そのことは大阪においては雇用・労働問題に取り組む必要性が他の地域以上に高いことを意味しています。

 このようななかで、働き方を考え改善することを目的とする市民団体として、2006年9月に「働き方ネット大阪」が設立されました。その後、労働時間、過労死、労働者派遣制度、有期雇用、貧困問題、生活保護、若年者雇用、労働運動、不況、震災・原発問題などをテーマに、現在まで100名から200名規模の集いを17回重ねてきました。

 2008年5月には、働き方に関する情報発信のためにブログ「働き方ネット大阪」を開設しました。その後、コンテンツが充実するにつれて訪問者が増加し、現在ではアクセス件数は1日当たり600〜700件、総数で71万件を超えるに至っています。

 こういう実績にたって、これまでの活動を継続するにとどまらず、新たにNPO法人「働き方ASU-NET」を設立することで、事務所と会議室を構え、雇用・労働に関する情報発信、各種講座の開催、講師派遣活動、研究調査活動と政策提言の推進などに取り組むことで、労働者に働き方の改善の動機、勇気と根拠を与え、問題解決につながる方策を示すほか、非正規労働の改善や雇用拡大の取り組みは地域社会に広く貢献できると考えました。

 また、任意団体としての「働き方ネット大阪」では、賛同いただく団体と個人に負担が大きく、また労働者と市民の期待に応えるには、幅広く寄付やボランティアを受け入れられる体制を整えたいと考えNPO法人化を検討してまいりました。

今後、多くの労働者と市民に協力をお願いし、積極的に社会参加して頂きたいと考えています。

2. 申請にいたるまでの経過

2006年 9月  働き方ネット大阪発足
2007年 5月  ディヴィッド・K・シプラー講演会
2008年 7月  第6回つどい「生存権と労働運動」
2010年 4月  第11回つどい「官製ワーキングプア」
2011年12月  第15回つどい「ブラック企業」
2012月11月  竹信三恵子講演会
2013年 1月  賛同者が集まりNPO法人化に向けた説明会開催
2013年 4月  設立総会

 

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