第282回 親友が拙著 『教職みちくさ道中記』の紹介を書いてくれました

  宮崎県に住む大学時代の親友、山田勝史さんから近況報告が届きました。そのなかに私が昨春、退職を機に出した『教職みちくさ道中記』の紹介文が同封されていました。山田さんは地元紙「宮崎日日新聞」の常連投稿者で、これまでも私が本を出すたびに同紙の「私の本棚」欄で丁寧に紹介してくれました。いつもは掲載されるのですが、今回は取り上げた本が退職エッセイ集という一般受けのしない内容であったからでしょう、めずらしく没になったそうです。せっかくお書きくださった原稿が日の目を見ないのももったいないので、特別にこの欄に掲載させていただきます。

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  紹介 『教職みちくさ道中記』(桜井書店、2014年)

                                                   山田 勝史 (宮崎県、71歳)

 昨年春に関西大学を定年退職した著者の関心は、専門の経済学にとどまらない。趣味のバードウォッチングの章では例えば蕪村や一茶の句を引きながらツバメを紹介。また留学先での米・ブロンクス動物園の面白いゴリラの様子等、ご夫人のハガキ絵ほかも配してどこからでも拾い読みできる親しみやすい構成としている。

 ところで喧伝される「アベノミクス」を、著者はどう見ているのか? 触りの一部を引用すると「看板の“大胆な金融政策”はインフレとバブルで一時的な花見酒の浮かれ景気をもたらそうという古くからの手法です。“大規模な財政出動”は大型赤字財政による景気拡大効果を当て込んだ土建国家型の悪しきケインズ主義です」と手厳しい。

 しかし、単なる学者にはとどまらない著者は、全国紙への論説や、第?章「働き方連続エッセイの」の中で、問題提起と処方箋の提示を怠っていない。それどころか、著者が尽力した昨年の第186国会で制定に至った「過労死等防止対策推進法」の実現に至る迄の働きは、この章に活写されている通りである。

 ともあれ、私がこの本で最も得したと思うのは、第?章「ブックレビュー」に接したことだ。あの『週刊エコノミスト』誌への各千字程度の30冊にわたる書評は、市井の読者には手頃の字数である。特に一つを挙げるならば、ロナルド・ドーア著『日本の転機――米中の狭間でどう生き残るか』(ちくま新書)で、大いに読みたい気持ちを誘発された。

 共に源平の古戦場・屋島を仰ぐ高松の地で学び、香大卒業後は京大の院に進んで教職に就いた著者の健康を念じて、本書を閉じた。

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