三井住友銀、労組がベア要求へ 97年以来17年ぶり

朝日新聞 2014年2月24日

 三井住友銀行の労働組合は24日までに、今年の春闘で従業員の賃金を底上げする「ベースアップ(ベア)」を求める方針を固めた。年間給与総額を0・5%増やし、1人あたり月千円以上の給与引き上げを求める。同行でのベア要求は1997年以来17年ぶり。

 3月中に正式に経営側に要求する。同行は「要求があれば、総報酬引き上げの観点から真摯(しんし)に検討する」としている。

 一方、三菱東京UFJ銀行とみずほ銀行の労組もベア要求を検討しており、経営側は認める方向だ。メガバンク3行でベアが実現すれば、95年以来19年ぶりとなる。

 メガバンクは90年代後半以降の不良債権問題で経営が悪化し、ベアも行わなかった。しかし、足もとでは過去最高水準の利益を計上。業界を監督する金融庁は安倍政権の意向を受け、各社に賃上げを求めている。

 アベノミクスによる株高で業績好調な証券業界でも、賃上げの動きが広がっている。野村ホールディングスや大和証券グループ本社は、若手社員を中心に2〜3%程度賃上げする方針だ。インターネット証券でも賃金改善の動きが出ている。(野上英文)

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