岩城穣: 「過労死等防止対策推進協議会」の記念すべき第1回会合に出席して

2014年12月18日 岩城弁護士のはばかり日記

 12月17日午前10時〜12時、「過労死等防止対策推進協議会」の第1回会合が、厚労省9階の「省議室」で開かれ、私は委員の一人として初めて参加した。

 この協議会は、今年6月に成立し11月に施行された「過労死等防止対策推進法」(過労死防止法)において、政府が「過労死等防止対策大綱」(第7条)の案を作成するに際して意見を述べる機関である(第12条、第13条)。

 委員は20人で、当事者委員(4人)は過労死家族の会から(寺西笑子さん、中原のり子さん、西垣迪世さん、中野淑子さん)、使用者代表委員(4人)は経済団体から、労働者代表委員(4人)は連合(日本労働組合総連合会)及びその参加の労働組合から、専門家委員(8人)は過労死等に関する専門的知識を有する研究者、弁護士、医師などから選出された。この中に、旧実行委員会の中心であった森岡孝二先生(関西大学名誉教授)と川人博弁護士(過労死弁護団全国連絡会議幹事長)と、不肖私も専門家委員として選任された。

 協議会の会合は今後月1回程度のペースで開かれ、来年6月ころには「大綱案」に対する意見をまとめることになっている。

 第1回目の会合である今回は、塩崎厚生労働大臣のあいさつで始まり、会長選出などの形式的な手続と資料の説明のほか、出席した委員が、1人3分程度、自己紹介と自由意見を述べた。どの意見も、経験と知見に裏づけられたすばらしいものであり、一周回って意見を聴くだけで、議論が相当に深まった気がした。

 思えば、厚労省の会議室で、過労死遺族、経営者側、労働者側、過労死についての専門家が集まり、過労死をなくすための方策を話し合うというこのような場が開かれるのは、長年の私たちの夢あり、本当に感慨深いものがある。

 改めて、法律ができるということの重さと、実効性ある大綱案にしていく責任を痛感する。微力ながら、頑張っていきたいと思う。

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