テレワーク関連文献収集 <ILOが、在宅形態労働者に関する新刊書を来週発表>(21.1.16更新)

 Asu-net事務局では、昨日(21.1.7)、今年、取り上げるべき「働き方」をめぐるテーマについて意見交換をしました。とくに、コロナ禍で、菅首相は、緊急事態宣言発出の記者会見で「出勤せず、テレワーク7割」を呼びかけています。しかし、テレワークについては「人間らしい働き方」という視点から多くの問題点が指摘されています。
 このブログでも高田好章さんが、<「テレワーク2年」にあたり年頭雑感」>をアップされ、季刊誌でも中村啓子「テレワークで危惧される「労働時間概念」の喪失 ―損害保険の職場で」(第15号 2020年夏号 2020年6月、6-7頁)、小畑由紀子「コロナ禍での働き方―損保会社の現場から」(第16号 2020年秋号 2020年11月、3-5頁)で論及されています。

ILO 在宅就労(新刊書)
ILO東京事務所:あき子の部屋

ILO 在宅就労(新刊書)

 テレワークについての勉強を本格的に進めたいと思い、関連の調査や文献を探すことにしました。
 早速、ILOが来週、『Working from home. From invisibility to decent work(在宅就労:目に見えない労働からディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)へ・英語) 』と題する新刊書を公刊するという記事がありました。
 日本語訳はまだ先になるようですが、早速、入手して読んでみたいと思います。
 なお、ILOはコロナ禍の中で、いくつかの関連文書を発表しています。
 また、コロナ禍前のものとして、「あきこの部屋」第13回テレワークが、次のような指摘をしており、注目されます。
(SWakita)

 EUには「欧州テレワーク枠組み協定」というデジタル技術の変化がテレワークに及ぼす影響に適応するような総合的な枠組みがありますが、他の地域には存在しません。
 労働者の安寧を向上させ、テレワーカーが同僚とのつながりを維持することを支援するように公式のパートタイム・テレワーキングを促進する一方で、長時間労働を伴うような補足的で非公式なテレワーク及びICT・モバイル利用労働を制限するなどの政策提言を行っています。
 テレワークでは、労働時間が長くなりがちであり、有償の労働と個人の生活を区別するために接続を切る必要も大きくなってきています。フランスやドイツでは企業レベルの取り決めや、最新の改正で「接続を切る権利」が盛り込まれたフランス労働法典など、法律の見直しや新設の検討を始めています。いくつかの企業で導入されているように、今後は例えば、休息期間や休日の電子メールのやりとりを防止するために勤務時間外にはコンピューターのサーバーの電源を落とすなどといった勤労生活が際限もなく広がるのを阻止する具体的な措置が導入される可能性もあります。

「あきこの部屋」第13回テレワーク
ゴチックは引用者

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