連続講座第3回 2月17日(水)コロナ禍と働き方 ~雇用危機をどう乗り越えるか~ 講師 脇田滋 ASU-NET共同代表・龍谷大学名誉教授

Asu-net3回連続講座を実施します。全体のテーマは「コロナ禍と未来を考える~求められる公共性と日本の課題~」です。
第1回 2020年12月16日(水)19:00~20:30 
コロナ禍と憲法・地方自治 ~コロナ禍であらためて考える 自治体民営化のゆくえ~  講師 尾林芳匡 弁護士
第2回 2021年 1月20日(水)19:00~20:30 申込締切 1/16(土)
コロナ禍と社会保障 ~貧困とセーフティネットの課題~  講師 吉永純 花園大学教授
第3回 2021年 2月17日(水)19:00~20:30 申込締切 2/10(水)
コロナ禍と働き方 ~雇用危機をどう乗り越えるか~    講師 脇田滋 ASU-NET共同代表・龍谷大学名誉教授

参加方法 ZOOMでのウェブ開催 参加無料・カンパ歓迎・先着100名 申込必要:以下から申込
https://forms.gle/McHjrgiYVXzaCcWU8

当日は、Zoomで講師から約60分、お話をいただき、参加者からの質問に答えていただく予定です。
講師からのレジュメ、資料などが事前に届きます。事前に参加の皆さんにお知らせします。
また、講師が書かれた関連の著書、文献を読んで、ご質問があれば、
講座の数日前に、Asu-netのメール・アドレス( asu-net@hatarakikata.net)にお知らせ下さい。
講師に伝えて、講義に活かしていただくようにします。

第3回 コロナ禍と働き方
~雇用危機をどう乗り越えるか~

2021/1/20(水) 19:00~20:30
申込締切 2/13(土)

◆脇田 滋 (わきた しげる)ASU-NET共同代表理事(龍谷大学名誉教授)
◆講師紹介
 2017年3月退職後、人間らしく働き暮らせる社会をめざして、非正規労働者の権利実現全国会議や働き方Asu-netで活動をしています。Asu-netブログ連続エッセイを執筆中です。著書に『労働法を考える-この国で人間を取り戻すために-』(新日本出版社、2007年)、共編著に、『ディスガイズド・エンプロイメント 名ばかり個人事業主』(学習の友社、2020年)『「働き方改革」の達成と限界』(関西学院大学出版会、2021年)など。

◆内容(概要)
 コロナ禍は、働き方にも多くの問題を投げかけています。感染リスクと仕事・収入を失うリスクが高まる中、人間らしく働ける社会にするための課題を、欧米や韓国の運動・政策の最近の動向を踏まえて考えます。
 労働をめぐって多くの問題が同時的に世界で発生しました。これに対して各国の政府、国際機関だけでなく、労働組合も積極的に活動し、大きな役割を果たしていると思います。各国で共通して取り組まれた問題としては、以下の6つを指摘できると思います。
 ①職場での感染危険です。第一線の保健医療労働者や対面労働に従事する労働者が感染しています。2020年7月現在、世界で7千名もの保健医療労働者が死亡したとされています。
 ②職場閉鎖によって解雇、失業する労働者が増え、その雇用確保が大きな問題になっています。とくに、就職をあきらめる「非活動」の問題が世界だけでなく、日本でも重要な問題になっています。日本では、休業手当、雇用調整助成金などの既存の制度が、様々な雇用維持制度がありますが、大規模な雇用危機に対応できず、十分に機能していません。各国との比較で改善が必要です。
 ③所得の減少・損失のために、生活ができない人が増えています。日本では、特別定額給付金などが支給されましたが、長期のコロナ禍で、きわめて限られた措置に止まっています。
 ④雇用脆弱層にコロナ禍の矛盾が集中しています。この雇用脆弱労働者とは、非正規雇用とフリーランスなど個人請負労働者を指しています。この約40年間、新自由主義政策によって世界各国で「労働市場の二極化」「格差」が問題になっていましたが、コロナ禍がその矛盾を浮き彫りにしました。とくに、日本では、非正規雇用、自営業、プラットフォーム労働者、アルバイト学生、女性、外国人の被害が際立っています。格差是正については、従来とは異なる大胆な取り組み、法的措置が必要になっています。
⑤過密労働・過労死の問題が、コロナ禍の中で業務が集中する保健医療、介護、宅配などの従事者に広がっています。メンタルヘルスを含めた、特別な対策が必要です。また、テレワークが進められていますが、労働者の権利という視点からは、長時間労働につながり、私生活との区別がなくなるという大きな問題があります。EU、ILOなどの議論や提言を踏まえた対応が必要です。
⑥団結活動の困難がコロナ禍で際立っています。労働者、とくに脆弱労働者を代表する労働者団結の役割が重要になっています。内向きの活動ではなく、Webを使った社会的な発信を重視した、あらたな代表的組合活動への期待が高まっています。の方法が必要となっています。さらに、既存の組合活動のあり方では、意思疎通、集会などが困難となっています。団体交渉や争議行為を含めて、Web、SNSなどを活用した新たな団体行動への工夫・知恵の集約が求められています。
 コロナ禍で明らかになった問題点を踏まえて、新たな運動の方向・課題を考えます。

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