働き方ASU-NET 第9回総会のご報告

1 はじめに

 2021年6月28日(月)18時半から「働き方ASU-NET第9回総会」を開催しましたのでご報告します。

 今回は、新しくなった「アイクルの部屋」とZoomを併用した形での開催となりました。事前に41名の委任を受けて、アイクルの部屋での現地参加が9名、Zoomでの参加が7名でした。

 今回初めてZoomを使用した形で実施しました。音声や映像が部分的に途切れるなど通信環境の課題はありましたが、Zoom参加の方々も自由闊達な意見交換をすることができました。今後も仕事、家事や育児で参加が困難な方々にとっても参加しやすく、より多くの方々に参加できる総会とするためにZoom併用という形式は有効だと思いました。

 他方で、私も久々に現地で皆さんと顔を合わせて会議に参加しましたが、やはり現地の方が議論の流れがつかみやすく、すぐに意見を言いやすいという利点はあるように感じました(Zoomでの参加であればどうしても意見を尋ねられてから述べる場面が増えます)。そのため、現地参加を基本としたZoom併用の形が今後もよいのではないかと考えます。

2 第1号議案の報告

 総会は、脇田代表理事のあいさつから開始して、議長の清水弁護士の進行のもと、まず高田さんから第1号議案(2020年度の活動報告)の報告がありました。

 2020年度はコロナ禍のもとでも、働き方ASU-NETとしては、前年度と同様に、①だれでも労働相談(詳細は総会議案を参照)、②関西大学法人不当解雇撤回闘争、ヤマハ英語講師ユニオン雇用化、守口学童保育不当労働行為などの支援活動を行ってきたこと、③例年行ってきたつどいは、WEB配信で3回の連続講座を「コロナ禍と未来を考える~求められる公共性と日本の課題」をテーマとして行ったこと、④季刊誌は「コロナ禍と働き方」を特集として現場報告を多く掲載したこと、⑤ホームページの大幅な改訂により今後も積極的な情報発信を行っていくことなどをご報告いただきました。⑥また、監事の武田さんから会計監査についてご報告をいただきました。

 その後、関西大学法人不当解雇撤回闘争の当事者である垣見さんから、既に闘い始めて3年を経過している裁判闘争(次回は証人調べ予定)、労働委員会の経過についてご報告いただき、ASU-NETとしても引き続き支援を続けていくことを確認しました。

 ヤマハ英語講師のユニオン雇用化については、川西さんから、これまで団体交渉を重ねて、就業規則を一から議論して労使協議を行ってきた経過、7月1日から雇用化を行うことになったが、雇用化はまだまだ限られた数であるため今後も広め、就業環境を改善していく必要があることをお話していただきました。

 守口市学童保育不当労働行為については、支援の丹羽さんから、裁判の経過と今後も裁判傍聴、ブログによる広報などで支援を行っていくこと、また公務のアウトソーシングの問題やエッセンシャルワーカーの問題など公務労働の問題点に焦点を当てた活動の必要性などをお話いただきました。

3 2号議案の報告

 続いて、代表理事の脇田先生から2号議案(2021年度働き方SU-NET活動方針)についてご報告いただきました。
 現在の情勢を踏まえて、2021年度の活動方針として6つの重点課題として、
①公共性を担う労働(エッセンシャルワーク)の尊重、
②若者、青年問題の重視,
③労働裁判・労働組合支援、
④Web(ブログ・SNS)を通じた社会的発信強化
⑤Asu-net内での自主活動の育成・活発化(森岡ゼミ・労働時間研究会・韓国語講座等)、
⑥対外的な交流、ネットワークの強化
が掲げられました。
 特に、脇田先生からは、Asu-netの活動を発信していく上でWeb (Twitterやブログ)による発信の重要性がますます高まっていくこと、まずは会員がそれらを自由に使えるように学習していき、段階を踏んで会員のみんながWebを通じた発信力を高めていくことが重要であることをご説明いただきました。
 次に、高田さんから2021年度の予算のご報告をいただきました。
 それも踏まえて、働き方Asu-netとしては社会的な意義を有する取り組みを行い、クラウドファンディングなどを通じてより活動の規模を広げていく必要性があることを確認しました。
 さらに、松浦さんからは、テレワークの拡大とともに、厚労省の調査結果の公表を踏まえて裁量労働制の対象業務が拡大することに対して、1年を通じて取り組む必要性があるのではないかという問題提起がされ、この点について板倉さんからも裁量労働制の対象業務拡大の現在の情勢や裁量労働制の問題点についてご報告をいただきました。

4 3号議案の報告

 最後に、西川から3号議案(NPO法人働き方ASU-NET 2021年度役員名簿)についてご報告しました。
 柏原英人さんが理事、丹羽博子さん、中西翔太朗さんが幹事を退任されました。他方で、新たに青木克也弁護士が幹事として加入され、青木克也弁護士から新任のご挨拶をいただきました。

5 以上のように、1号議案、2号議案、3号議案についてご報告いただき、それぞれ承認を得て、無事総会を終了しました。

 今回は懇親会がなく寂しい幕切れとなりましたが、働き方Asu-netとして、2021年度もWebでの発信力を強化していくことを確認し、改めて今後も精力的な活動を行っていくことを相互に確認することができた総会となりました。

この記事を書いた人

西川翔大