格差社会の拡大示す2007年「就業構造基本調査」の結果

2007年「就業構造基本調査」の結果概要が7月3日総務省のHPに発表されました。

本調査は5年ごとに実施され、2002年調査結果は日本の格差社会化を如実に示して大きな関心を呼びました。今回の調査結果は,格差と貧困がいっそう拡大したことを明瞭にして,再び大きな議論を呼ぶものと考えられます。以下,若干のポイントを抜粋して紹介します。
<雇用形態>
正規雇用は減少、非正規雇用は増加
雇用者(役員を除く)を雇用形態別にみると,「正規の職員・従業員」が3432万4千人(64.4%),「パート」が885万5千人(同16.6%),「アルバイト」が408万人(同7.7%),「契約社員」が225万5千人(同4.2%),「労働者派遣事業所の派遣社員」が160万8千人(同3.0%)などとなっている。2002年と比べると,「正規の職員・従業員」は23万3千人減少し,「アルバイト」も15万7千人減少したのに対し,「パート」は103万1千人増加し,「労働者派遣事業所の派遣社員」は88万7千人増加している。その結果,非正規雇用比率は35.6%(男性20%,女性55.3%)になった。

<年間就業日数・週間就業時間>
 年間就業日数は短期(150 日未満)と長期(250 日以上)に二極化

雇用者(役員を除く)について年間就業日数別にみると,「150 日未満」が572 万4千人(10.7%),「150〜199 日」が447 万8千人(同8.4%),「200〜249 日」が1908 万人(同35.8%),「250 日以上」が2351 万1千人(同44.1%)となっている。2002年と比べると,「250 日以上」が6.3 ポイント,「150 日未満」が0.4 ポイント上昇しており,年間就業日数は短期(150 日未満)と長期(250 日以上)に二極化している。

 週間就業時間は短時間就業と長時間就業に二極化

年間就業日数が200 日以上の雇用者(役員を除く)について,週間就業時間階級別の割合をみると,「35〜42 時間」が30.7%と最も高く,次いで「43〜48 時間」(25.8%),「49〜59 時間」(18.6%)などとなっている。2002年と比べると,短時間(「30 時間未満」及び「30〜34 時間」)及び長時間(「60 時間以上」)就業の割合が上昇しており,男女とも二極化の傾向がみられる。

<年間所得>
男女とも年収500万円未満の割合が上昇、300万円未満が5割強、200万未満は3割強

雇用者(役員を除く)について所得(主な仕事からの年間収入)階級別にみると,「500万円未満」が76.8%,「500万円以上」が22.1%となっており,2002年(74.9%)と比べ「500万円未満」が1.9ポイント上昇している。そのうち,「300万円未満」は53.1%と,2002年(50.5%)と比べ2.6ポイント上昇している。

男女別にみると,男性は「500万円未満」が64.6%、「300万円未満」が33.9%となっており,2002年と比べ、それぞれ2.3ポイントおよび2.8ポイント上昇している。また,女性は「500万円未満」が92.2%、「300万円未満」が76.8%となっており,2002年(92.0%)と比べそれぞれ0.2ポイントおよび0.5ポイント上昇している。

男女計で年収200万円未満の雇用者は1882万人(全雇用者の32.9%)に上る。

 

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