5月6日NHKニュース 首相 浜岡原発すべて停止を要請

NHKニュース 5月6日 19時20分

菅総理大臣は、6日夜、緊急に記者会見し、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、浜岡原子力発電所について、定期検査で運転を止めている3号機に加え、運転中の4号機と5号機も含めた、すべての原子炉の運転を停止するよう、中部電力に要請したことを明らかにしました。

運転停止を要請した理由について、菅総理大臣は「文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、これから30年以内に、マグニチュード8程度が想定される東海地震が発生する可能性は87%と、極めて切迫している。こうした浜岡原発の置かれた特別な状況を考慮するなら、想定される地震に十分耐えられるよう、防潮堤設置など、中長期の対策を確実に実施することが必要だ。対策が完成するまでの間、すべての原子炉の運転を停止すべきと判断した」と説明し、中長期対策が完成するまでの間、運転の再開を認めない考えを示しました。

そのうえで菅総理大臣は、中部電力が要請への回答を保留していることについて、「十分に理解を頂けるよう、説得していきたい」と述べました。さらに菅総理大臣は、浜岡原発を停止した場合の電力供給について、「中部電力管内の電力の需給バランスに大きな支障が生じないよう、政府としても最大限の対策を講じていく。電力不足のリスクは、この地域の住民をはじめ全国民が、より一層、省電力、省エネルギーの工夫をしていただけることで、必ず乗り越えていけると私は確信している。多少の不足が生じる可能性はあるが、国民の理解と協力があれば、そうした夏場の電力需要に対して十分対応できる」と述べました。

このあと、担当の海江田経済産業大臣が記者会見し、補足の説明を行い、「火力発電と揚水発電を増やすとともに、それだけで足りない場合は関西電力からの援助も考えている。関西電力の社長にも電話し、支援をしっかりお願いしたいと伝えた。中部電力の管内で計画停電などの事態には至らないと思う」と述べ、関西電力からの電力の支援などによって電力需要に対応できるという認識を示しました。

この記事を書いた人