パナ、組合に手当や残業代カットを打診 人件費の数百億円圧縮で

SankeiBiz 2013/3/14

 パナソニックが平成25年度の人件費について、残業代や出張手当などを減額する方針を労組側に打診したことが14日分かった。近く正式に申し入れ、労使協議に入る。同社は既に役員報酬の削減などを実施しているが、来期以降の業績回復のために、さらなる人件費削減が必要と判断した。

 関係者によると、出張手当や残業代のカットのほか、既に引き下げている管理職の年俸の一段の削減といった案が浮上。賞与がカットされる可能性もある。一般社員の毎月の基本給は削減しないが、削減規模は数百億円規模に上る可能性がある。

 パナソニックは今3月期の通期連結決算で、2年連続の7千億円超の最終赤字を計上する見通し。今春闘では定期昇給を維持し、一時金(賞与)は賃金4カ月分を確保したうえでの業績連動方式とすることで労使が合意したものの、交渉は難航し「例年になくもつれた」(同社幹部)背景がある。

 同社は固定費削減の一環として、役員報酬の40〜20%返上や管理職の冬季賞与の35%カットなどをすでに実施。しかし、V字回復を確実なものとするために、さらなる人件費削減が不可欠と判断したとみられる。

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