パナソニック工場社員の「過労死」認定 富山

朝日DIGITAL 2017年3月3日
http://digital.asahi.com/articles/ASK333FNSK33PUZB002.html
   
  
 富山県砺波市にあるパナソニックの工場で勤務する40代の男性社員が、昨年6月に死亡し、遺族の申請を受けた砺波労働基準監督署が今年2月上旬、長時間労働による過労死だったと労災認定していたことがわかった。昨年5月の時間外労働は100時間を超えていたとみられ、同社広報部は「厳粛に受け止め、全社を挙げて再発防止に取り組む」としている。

 同社広報部によると、男性は一般社員で、パナソニックの社内分社「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」(大阪府門真市)の松江富山工場(砺波市宮丸)に勤務していた。同工場は家電製品などの電子部品を製造し、社員約250人が働いている。男性が亡くなる前は、社員の長時間勤務が常態化していたという。

 男性は、社内の勤務管理システムに昨年5月の時間外労働を約60時間と入力していたが、出退勤時間などを調べたところ、厚生労働省が過労死の認定基準の一つにしている100時間を超えていたと推定された。死因や仕事内容は「遺族の意向で公表できない」としている。

 パナソニック広報部は「亡くなった社員に謹んで哀悼の意を表するとともに、ご遺族に心よりお悔やみを申し上げます」とコメント。砺波労基署は「個別の事案には答えられない」とした。(松原央)
 宅配便最大手のヤマト運輸は、ドライバーの労働環境の改善に向けて、時間帯指定の配達を見直す方針を固めた。今春闘の労使交渉で組合側に提案する。

アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 「今の荷物量、無理」

 ヤマトは、荷物の受け取りを指定できる時間帯として、午前中▽正午〜午後2時▽午後2〜4時▽午後4〜6時▽午後6〜8時▽午後8〜9時の六つを用意している。配達が特定の時間帯に集中すると、ドライバーの負担は重くなるため、指定が比較的少ない正午〜午後2時と、時間帯の幅が短く多忙になりがちな午後8〜9時の二つの時間帯の指定をとりやめ、正午〜午後4時のように時間帯の幅を広げることを検討している。ドライバーの負担軽減につなげる狙いだ。

 インターネット通販の普及で、宅配便の荷物量は急増。組合側は今春闘で、荷物の取扱量の抑制を要求しており、再配達の有料化など、より抜本的な対策が求められる可能性もある。

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