毎日新聞 2013年09月09日
東京電力は9日、300トンの高濃度汚染水が漏れた福島第1原発の地上タンクの北側約20メートルに掘った井戸の地下水から、1リットル当たり3200ベクレルの放射性物質を検出したと発表した。5日にも近くの別の井戸から同650ベクレル検出されており、地下水汚染が拡大している恐れがある。
3200ベクレルが検出された水は、8日に深さ6メートルから採取された。主にベータ線が検出され、ストロンチウムが原因物質とみられる。この付近では深さ5〜7メートルに地下水が流れている。漏れた汚染水が土壌に染み込んで地下水に混入した可能性がある。
東電は、汚染前の地下水をくみ上げ、汚染水発生を抑える対策を計画しているが、検出された場所とくみ上げ井戸の距離は約130メートルという。【鳥井真平】