看護師を「有償ボランティア」 年休却下の市に是正勧告 (1/7)

看護師を「有償ボランティア」 年休却下の市に是正勧告
https://www.asahi.com/articles/ASN163VWTN16PPTB001.html
朝日新聞デジタル 加戸靖史 2020年1月7日05時00分

写真・図版堺市役所=2019年5月

 大阪府堺市が保健業務を補助する女性看護師を「有償ボランティア」とみなして、年次有給休暇の取得を拒んだことに対し、堺労働基準監督署が是正勧告していたことがわかった。労働者として扱い、年休中の賃金不払い分を払うよう市に求める内容。市は同様の業務に就く看護師や助産師らについて、雇用契約を結ぶ方向で検討している。

 市や関係者によると、勧告は昨年12月27日付で、市の「保健医療業務協力従事者」になっている女性看護師に対し、市が3日間の年休取得を認めなかったのを不当と指摘。3日分の賃金にあたる1万8600円を女性に支払うよう求めた。

 協力従事者は登録制で、看護師や助産師、歯科衛生士ら約180人いる。乳幼児検診やがん検診などを補助したり、新生児の家庭を訪問したりする。業務は1日3時間までで、看護師や助産師には6200円の謝礼が支払われる。労災保険には未加入だが、業務中や通勤時の事故は市が入っている保険で補償されるという。

 女性は協力従事者を20年超務め、昨年3月に初めて年休取得を申し出た。市に「有償ボランティアだ」として拒まれたため、堺労基署に申告していた。

 市は「専門性のある業務を有資格者に手伝ってもらう制度。業務にあたる日も本人の希望で決めている」とし、ボランティアと考えるのが妥当だと主張。だが労基署側は業務実態から「労働者性がある」と判断したとみられる。

 市によると、協力従事者を労働者とみなした場合、年休が取得できる年48日以上従事した人は女性を含め約40人いる。市は勧告を受け、協力従事者の制度を抜本的に見直す方針だ。(加戸靖史)


堺市の年休拒否に是正勧告 短時間補助の看護師申請
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54125480X00C20A1CR8000/
日経新聞 2020/1/7 18:35

登録制で医療業務を短時間補助する女性看護師の年次有給休暇申請を堺市が「有償ボランティア」だとして断ったことに対し、堺労働基準監督署が是正勧告をしていたことが7日、市への取材で分かった。
勧告は昨年12月27日付。市は女性に、申請のあった年休3日分の賃金1万8600円を支払う予定。同様の業務に就く約180人について、年休が取れる職員として雇用契約を結ぶか検討する。
市によると女性は勤務日数を指定できて1日3時間まで働く市の「保健医療業務協力従事者」に20年以上前に登録、雇用契約は結んでいなかった。昨年3月に年休を初めて申し出たが、市が10月に拒否したことを受け堺労基署に申告していた。
労基署は市に対し、女性を労働者と見なし年休の賃金不払い分を支払うよう勧告した。労働内容を検討したとみられる。市は保健医療業務協力従事者制度を見直す方針。〔共同〕
 

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