図3、図4のとおり、5月の休業者423万人の6割は女性です。これは休業者のなかで非正規雇用が多いことも関わっています。非正規209万人は休業者(423万人)の半数近くになります。緊急の労働生活相談を実施した労働組合や支援団体の人々が伝えるように、非正規雇用の休業者は正規雇用と比べ、休業手当を払われていない人が多数に上っています。中小零細企業の休業者でも大企業に比べ同様の傾向があると思われます。休業者を企業規模別に見ると、およそ3割は30人未満の小零細企業の労働者です(図5)。
休業者数を男女別に比較すると、従来から女性の方が男性を上回っていました(図4)。これは育児休業や介護休業の取得者が女性に集中していたからです。この他に労災や病気加療のため休業している人もいます。そこで2020年2月以降の休業者数から2019年平均の休業者を差し引いた数を「新型コロナウイルス感染症関連の休業者」とみなすことにします。
現在、政府が実施しているコロナ感染症対応の緊急措置による休業支援策(雇用調整助成金制度の拡充など)が終了したならば、企業はこれらの休業者を解雇し、完全失業者に転ずるおそれがあります。その意味でコロナ危機による休業者のかなりの部分が「失業予備軍」と考えられます。図2ではこの失業予備軍に完全失業者を加えた数値を折れ線グラフで示しています