厚労省、過労死防止へ数値目標 労働時間や休暇取得率

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG06HDH_W5A400C1CR8000/
日本経済新聞 2015/4/6

 過労死等防止対策推進法が昨年11月に施行されたのを受け、厚生労働省は6日、過労死や過労自殺を防ぐために国が取るべき対策をまとめた大綱の骨子案を公表した。労働時間の削減や休暇取得率について数値目標を定めたほか、過労死の発生要因を探るために長期的な追跡調査を進めることなどを盛り込んだ。

 骨子案は、過労死防止は喫緊の課題として、「将来的に過労死をゼロにすることを目指す」と明記。(1)2020年までに週当たり労働時間60時間以上の雇用者割合を5%以下にする(2)20年までに年次有給休暇取得率を70%以上にする(3)17年までにメンタルヘルス対策に取り組む事業者割合を80%以上にする――との数値目標を掲げた。

 過労死の発生要因は明らかでない部分が少なくないとして、民間企業で働く人に加えて公務員や自営業者も対象にした調査が必要と指摘。労働者の勤務状況と、その後の病気や過労死の関係について、長期的な追跡調査を行うとした。国民への啓発や相談体制の整備なども進める。

 骨子案は、同日開かれた過労死遺族や労働者・使用者代表らで構成される「過労死等防止対策推進協議会」に示された。過労死防止法は、過労死対策を取ることが「国の責務」と明記。国は具体的な対策をまとめた大綱の作成を義務付けられており、同協議会の意見を聞く必要がある。国は夏ごろをメドに大綱をまとめる予定。

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