第51回  『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書、近刊)の目次

 ようやく小著 『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書、2009510日発売予定)の校正を終え、あとは出版を待つばかりとなりました。広告を兼ねて目次を紹介しておきます。

 序 章 恐慌が壊れた雇用を直撃する

アメリカのバブル崩壊と2008年恐慌/日本の08恐慌と非正規雇用者の大量解雇/火がついた働き方をめぐる議論/ワーキングプアの増大と中流の没落/少ない人員でもっとはたらく/本書のテーマと構成

 第1章 悲しき中流階級――ホワイトカラーの原像

ホワイトカラーとは誰のことか/疲れて死にそうだよ/現代の苦悩を背負う/パーソナリティを売る/働きすぎのはじまり/時給労働者のブルーカラー/固定給のホワイトカラー/働きすぎと浪費の悪循環/窒息するオフィス/福利厚生が削られ仕事がきつくなる/経営者の報酬は増えつづける/使い捨てのホワイトカラー

 第2章 しぼられるホワイトカラー

高まるホワイトカラー論議/ホワイトカラーはもう増えない?/依然としてつづく第三次産業の増大傾向/ホワイトカラーと高等教育の大衆化/正規雇用から非正規雇用へ/「去るも地獄残るも地獄」/リストラ、そして絞り込み/成果主義による締め付け

第3章 このままでは仕事に殺される

過労死110番の開始から20/過労自殺が多発するホワイトカラー/教師の労働環境の悪化とうつ病の多発/死を誘う過酷な医療現場/名ばかり管理職の過重労働/「自発的」でも企業の責任/トヨタ自動車における過労死・過労自殺/経団連会長企業の研究者の過労自殺/精神的ストレスの強い職場/過労死させないために

第4章 雇用差別に屈しない

サラリーマン論では語れない/女性管理職はどこにいる/従業員の女性比率は一七%?/依然として解消しない性別賃金格差/労働時間の性別二極分化傾向/職場の男女差別に対する不服従のたたかい/「女性はみんなCですよ」/女性差別撤廃の闘いのリレーを引き継いで/「こんな企業は時代遅れ」

第5章 阻止されたホワイトカラー・エグゼンプション

日本版エグゼンプションの二つのウソ/裁量労働制の拡大からエグゼンプションへ/いつも考えることが仕事である?/成果主義賃金と労働時間/対象は年収400万円以上、約1100万人/仕事と育児の両立が可能に?/「自律的な労働時間制度」とは/日本はすでにエグゼンプション状態/サービス残業の解消に向けて/過労死は自己管理、労基署も不要です

終 章 市場個人主義を超えて

超資本主義における雇用/雇用不安による社会的損失/「労働は商品ではない」/市場個人主義による働き方の改変/正社員も安泰ではない/流れは変わり始めた/日本における反転の構図/ユニオン力で反撃する/まともな働き方とは

この記事を書いた人