過労死ラインの上限設定を許さず、まともな残業規制の実現を求めます。
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  • 過労死ラインの上限設定を許さず、まともな残業規...(2017/03/23)

    過労死ラインの残業法認を許さない3.22緊急集会は、102名の参加で成功裏に終了しました。最後に採択された集会宣言を掲載します。

             

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     3月17日に開催された第9回「働き方改革実現会議」で、時間外労働(残業)の上限設定に関する「政労使提案」(以下「提案」または「合意」という)が示されました。

     1 特例容認の制度設計
    今回の提案は、残業の上限を「月45時間、かつ、年360時間」とすることを労働基準法に明記したうえで、「一時的な業務量の増加がやむを得ない特定の場合」は、上限を「年720時間以内」とするとしています。月45時間、年360時間が「健康障害防止」の観点から定められた現行の限度時間であることは理解できます。しかし、現行の基準にある週15時間がなぜ落ちたか、また、特例とされる720時間が労働者の健康を確保するための限度としてなぜ妥当かは不明です。

     2 政治的小細工
    提案は、2〜6ヵ月の平均で「80時間以内」、単月で「100時間未満」という上限も持ち出しています。これは過労死ラインまで働いてよいとするものです。厚生労働省の脳・心臓疾患の労災認定基準では、80時間も100時間も「おおむね」となっており、「未満」とするか「以内」とするかはたいした問題ではありません。それを100時間だけ「未満」としたのは、経団連が連合の要求を受け入れたかのように見せる安倍首相の政治的小細工にすぎません。

     3 年間最大960時間も可
    単月100時間や複数月平均80時間は休日労働を含んでいるとしながら、年720時間は休日労働を別枠としています。この点は月45時間、年360時間も同様です。法定休日は週1回(または4週間に4回)あります。これを含めれば、残業は、月平均80時間以内という縛りがあっても、なんと年間最大960時間(80時間×12か月)まで可となります。

     4 過労死ラインの長時間残業
    単月100時間、複数月平均80時間、年960時間の残業を許容することは、どれをとっても過労死ラインの上限設定です。出勤日数を1か月20日(月4週×週5日)とすれば、月100時間は1日平均5時間の残業に相当します。しかし、今回の合意案は、1日および1週については、8時間および40時間を超える延長の上限を定めていないので、1日10時間の残業(実働18時間)を10日続けてさせることも、月80時間の残業を12か月続けることも許されることになっています。これでは人間の身心は壊れてしまいます。このように死ぬほど働かせることを法認する合意案の法制化を許してはなりません。

     5 過労死防止法の封じ込め
    提案は「メンタルヘルス対策等」との関連でのみ、過労死防止法に触れ、同法に基づく「大綱」を「見直す」としています。同法の規定では、厚生労働大臣は大綱の作成・変更や法の見直しに際して、「過労死等防止対策推進協議会」の意見を聴くことになっています。実際、大綱を策定する際の協議会では、36協定の見直しや勤務間インターバル規制の導入について議論がありました。しかし、今回の合意の枠にしたがえば、今後は働き方のそうした見直しを議論することさえ封じられる恐れがあります。

     6 私たちの要求
    私たちは、労働者のいのちと健康および家族生活を守る立場から、まともな残業規制の実現に取り組んできました。それゆえ、私たちは上記の理由でこの提案に反対し、以下の4点を強く求めます。

       1日8時間、1週40時間の法定労働時間を基本として、現行の36協定による残業の限度に関する基準(週15時間、月45時間、年間360時間)を労基法に明記し、追加的延長のための特別条項を廃止すること。

      EU(欧州連合)並の勤務間インターバル休息規制を導入すること。

     上限規制の実効性を確保するために、使用者に正確な労働時間の把握・記録・保存を義務づける こと。

       「高度プロフェッショナル制度の創設」と「企画型業務裁量労働制の拡大」を撤回すること。

     以上、宣言します。

               2017年3月22日
                                 民主法律協会・NPO法人働き方ASU-NET共催
                                 過労死ラインの残業容認を許さない緊急集会、参加者一同
     

  • 3月22日 「過労死をしない・させない!」緊急...(2017/02/09)
  • 罰則つきの時間外労働上限 月最大100時間で調整(2017/01/28)
  • 労基法改正案 残業「月80時間」上限 政府が調...(2017/01/25)
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注目のニュース
  • 地方公務員遺族年金の男女差 最高裁が合憲と判断(2017/03/21)

    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170321/k10010919241000.html

    地方公務員の遺族が年金を受け取れる条件に男女で差があるのは憲法に違反するとして、教師だった妻を亡くした夫が起こした裁判で、最高裁判所は「男女間の賃金の格差などを考慮すると法律の規定には合理性がある」として、憲法に違反しないという初めての判断を示しました。

    地方公務員が公務で亡くなった際に支給される遺族補償年金は、法律の規定で、夫が亡くなった場合は妻の年齢に関係なく支給される一方で、妻が亡くなった場合はその時点で夫が55歳以上でなければ支給されません。

    大阪・堺市の70歳の男性は、51歳のときに中学校の教師だった妻を亡くしましたが、法律の規定によって遺族補償年金が支給されず、「法の下の平等を定めた憲法に違反する」として、取り消しを求める裁判を起こしました。

    1審の大阪地方裁判所が「憲法に違反する」と判断したのに対して、2審の大阪高等裁判所は憲法には違反しないと判断し、男性が上告していました。

    21日の判決で、最高裁判所第3小法廷の山崎敏充裁判長は「男女間で労働力人口の割合が違っていることや、平均的な賃金に格差があることなどを考慮すると、法律の規定には合理性がある」として、憲法に違反しないという初めての判断を示し、男性の上告を退けました。

    原告「非常に残念」

    最高裁判所の判決について、原告の男性は「生活の実態を一切見ずに、性別の違いだけで年金を支給しないのは、憲法の禁じる性差別です。最高裁判所が認める判決を出したのは非常に残念です」と述べました。一方で、裁判を起こしたことについては、「表に出ることがなかった深刻な性差別を訴えたことについては意義があったと思います」と振り返りました。

    また、男性の代理人の松丸正弁護士は「共働きの家庭が増えているにもかかわらず、女性が独力で生計を立てるのは困難だというレッテルを貼った判決で、非常に残念だ。国会でもこの問題について議論していただきたい」と話していました。

  • 残業規制に抜け穴 年間上限、休日労働含まず(2017/03/21)
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