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  • 「優秀な人材が逃げる…」地方国立大、人件費削減...(2016/11/27)

    朝日 DIGITAL 2016年11月24日
    http://digital.asahi.com/articles/ASJCL521RJCLUTIL03M.html  

     国立大学で教員の人件費を削減する動きが加速している。40歳未満の若手教員のうち、5年程度の「任期つき」教員が6割を超えたことも明らかになった。国からの運営費交付金が減る中、教員の雇用や昇任も脅かされつつあり、特に、地方の大学からは悲鳴が上がる。

    国立大の若手教員、任期つき雇用が急増 今年度は63%
    法律変わったのに「雇い止め」? 東北大、上限5年に

     「北大でこの惨状」「博士号取得者の受け入れ先がなくなり、日本から優秀な人材が逃げる」……。

     9月、ツイッター上で、あるブログを引用したつぶやきが拡散された。北海道大学教職員組合執行委員会が「激震! 教授205名分の人件費削減を提案」と伝えたブログだ。8月下旬の学内の会議で、大学側が教授205人分に当たる人件費削減案を示した内容だという。

     北大は「案を示したのは事実だが、検討段階なので答えられない」とする。だが、学内資料や複数の教員によると、当初の削減案では2017年度から5年間で人件費を14・4%、総額55億円削減するとされ、削減幅は17年度が最大の9・9%。

     北大は各部局に配分された「人件費ポイント」に基づき、教授(1・0ポイント)や准教授(0・8ポイント)などの教員を雇用する。当初の削減案では、大学は「205・5ポイント」を削減予定で、本来は雇えるのに雇用していない未使用分を除くと、教授120人分以上に相当する削減が必要になる。11月には「186・2ポイント」に縮小する修正案を示した。

     人件費にあてることができる、国から北大への一般運営費交付金は04年度の346億7千万円から15年度は311億円に減少。共済年金から厚生年金への移行に伴う制度改革もあり、財政が悪化した。

     農学部の教授は「人件費に手をつけるのが一番楽なのだろうが、もっと早く収支改善の手を打つべきだった。経営陣は何をやっていたのか」と憤る。文学部教授は、削減案を受けて「教授への昇進を含めて人事を凍結した」と打ち明ける。当初案に対し、大学の25部局は「最大限の収支改善策を検討した跡がない」「負担に不公平感がある」などとする意見を表明。組合は撤回を求めている。

     大学側は退職者を補充せず、「任期つき」教員の任期を延長しないことなどで達成すると説明。だが修正案にしても大学の根幹である教員への影響は大きい。

     同じように財政難に苦しむ高知大も16、17年度の2年間、採用や昇任などの人事を凍結する。教授が定年退職しても准教授の昇任はなく、新規採用はしない。教員がいなくなる講座では、退職後の教授がシニアとして教え続けたり、他の教員が兼任したり、カリキュラムを見直したりする予定だ。それでも財務状況が改善する見通しはなく、さらに教授25人分の人員削減が必要という。高知大教職員組合の原崎道彦教授は「昇任もなければ、若手の士気も下がる」と心配する。

     高知大では、15年度以降、学部を大幅に改組。29人を新規採用した。そのための補助金で、14年度はいったん財政が改善したが、その補助金も5年目でゼロになる。現在、教員1人あたりの自由な研究費も年額11万3千円にとどまっているが、箱田規雄理事は「保護者の所得を考えると学費の値上げもできない」。今でも授業料を払えずに休学する学生が年間で数十人いるからだ。「地方では寄付も集まりにくい。落ち着いた研究や教育のためにも、これ以上の交付金の削減を止めてほしい」と話す。来年度からは、教職員が大学内に駐車する際、駐車料金を取って収入増をめざす。事務職員も減らす。

     86の国立大でつくる国立大学協会が15年秋に行った調査では、「定年退職者の補充をしない」など、人件費の削減策を「すでに実施」「今後実施」という大学は33にのぼった。

     大学教員をめざす若手も心配する。全国大学院生協議会が6〜9月に行った調査では、回答した563人のうち61・7%が「就職状況」を懸念していた。議長の博士後期課程2年土肥有理さん(28)は来年以降、就職口が見つかるかどうか不安がある。「高校の非常勤講師などで食いつなぎ、大学教員や研究者への就職をあきらめる人も多い。国は大学の予算を抜本的に増やして欲しい」と話す。

    ■改革求める国、耐える現場

     だが、国立大を見る目は厳しい。今月11日、税金の使い方を検証する政府の行政事業レビューでは、国立大をめぐる厳しい言葉が飛び交った。

     事業を検証する有識者「追加で補助金をもらえなければ、若手のポストを確保できないというのは説明がつかない。何をやってきたのか」

     文部科学省「組織改革は大幅に進んでいる」

     山本幸三・行政改革相「学長は教授をクビにできるのか。企業経営的な運営ができていない」

     国の財政難の中で運営費交付金が削られる半面、文科省は「改革に積極的に取り組む大学を強力に支援することによって、大学教育の充実を図っていく」として、改革を進める大学には別の補助金を出し、メリハリをつけようとしている。千葉大の徳久剛史学長は「交付金の減額に耐えられるかどうか、各国立大は試されている」とみる。

     千葉大は07年度から海外拠点作りを進め、今年4月には国際教養学部を新設するなどの改革を行う一方、11年度からは退職者が出ても1年間補充せず、民間などの外部資金を確保し、5年ほどの「任期つき」で若手を雇ってきた。任期つき教員は04年度のゼロから16年度は242人(全体の18・1%)に増えた。40歳未満の「任期なし」教員は16年度は168人となり、この6年で71人減った。

     今年度からは教員採用の仕組みを変えた。退職者のポストを原則3年間、補充せず、各学部は学長をトップとする教員人事調整委員会に申請し、「機能強化に意味がある」と判断されれば雇用できる。徳久学長は「今後、淘汰(とうた)される大学も出るかもしれない。交付金削減を逆手に取って変わっていきたい」と話す。(松本理恵子、杉原里美、水沢健一)

                                    ◇

     《東京大名誉教授で東京理科大学長の藤嶋昭さんの話》 日本の高等教育への公費負担はOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも最低水準で、国の経済規模に比べて著しく低い。国の財政が厳しいのはわかるが、この状況を改善しない限り、日本の科学技術の進歩や発展は望めないと思う。近年、定年退職者の再雇用や任期延長が増え、若手の雇用を奪っている面もある。大学が若手教員を雇い、研究や教育に専念できる環境も整えるべきだ。

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  • 三菱電機元社員に労災認定 「月100時間超の残業」(2016/11/27)

    朝日 DIGITAL 2016年11月25日
    http://www.asahi.com/articles/ASJCT53XPJCTULFA01M.html
     
     大手電機メーカー、三菱電機に勤務していた研究職の男性(31)が精神疾患を発症したのは長時間の過重労働が原因だったとして、藤沢労働基準監督署(神奈川県藤沢市)が労災認定した。男性と代理人弁護士らが25日、記者会見して明らかにした。認定は24日付。

     男性は2013年4月に三菱電機に入社。情報技術総合研究所(神奈川県鎌倉市)に配属され、家電などに使うレーザーの研究開発の担当になった。

     代理人弁護士などによると、14年1月から論文作成業務などが加わって業務量が増加。同労基署は「それまでの倍以上、月100時間を超える時間外労働があった」と認定。長時間労働による心理的負荷が強まり、入社2年目の同年4月上旬ごろに「適応障害」を発症したと結論づけた。

     ログイン前の続き男性によると、労働時間の管理は自己申告制で、労基署に届け出た時間外労働の上限の月40時間以内に抑えて虚偽の申告をするように上司から指示されていたという。発症前の時間外労働は最長で月160時間ほどにのぼったと説明した。

     上限ぎりぎりの「39時間」と毎月申告すると虚偽申告が発覚する恐れがあるため、「36時間」「35時間」などと月ごとに違う時間を申告するよう指示されたこともあるという。この上司からは「言われたことしかできないのか。俺が死ねと言ったら死ぬのか」などと注意を受けたこともあったという。

     男性は14年6月から休業。就業規則で定める休業期間を超えたため、今年6月に解雇された。男性は労災休業中の解雇は無効だとして、同社に復職を求める方針だ。

     三菱電機広報部は「労基署の判断を確認の上、対応を検討する」としている。労働時間を虚偽申告するよう指示されたとする男性の主張については、「指摘を受けて調査したが、そうした事実はなかったと認識している」と回答した。

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