大学生の内定率76・6% 12月現在、3年連続改善も10万人以上が未内定

SankeiBiz 2014.1.21

 厚生労働省は21日、今春卒業予定の大学生の就職内定率(12月1日現在)は76・6%で、過去最低だった平成22年度から3年連続で上昇したと発表した。アベノミクス効果で求人が増えたことなどが影響し、前年同期比1・6ポイント増となったが、なお約10万1千人が内定を得られていないと推計される。

 厚労省は「まだリーマン・ショック前の水準には回復しておらず、5ポイントほど低い状況」と分析。同日からハローワークなどを通じ、未内定者への個別支援を強化する。

 調査は全国の国公私立大62校、短大20校を抽出し、就職希望者に占める内定者の割合を調べた。

 東日本大震災の復興需要や景況感の改善で求人が増えたことに伴い、卒業予定者に占める就職希望者は76・4%と過去最高に。内定率は男子が76・2%(前年同期比1・7ポイント増)、女子が77・2%(同1・6ポイント増)でそれぞれ上昇。短大生(女子のみ)は58・6%(同0・7ポイント減)で伸び悩んだ。

 地域別では、関東地区が82・7%(同5・9ポイント増)と最も高く、次いで近畿地区78・0%(同0・9ポイント増)、復興需要で求人が増えている東北地区・北海道74・8%(0・9ポイント増)−の順だった。

 一方、今春卒業予定の高校生の内定率(11月末現在)は79・2%で、前年同期比3・4ポイントの上昇となった。復興需要で建設業の内定が増えた。

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