3.13過労死防止大阪センター結成総会報告

      ―大阪から過労死をなくすために―     

  3月13日に「過労死防止大阪センター結成総会」が大勢のご参加をいただき盛況に催されました。100名の会場に座りきれないほどの137名の参加で、テレビカメラも入り、NHKの午後8時45分のニュースで報道されました。

  第1部では代表挨拶として、松丸弁護士は、「大阪から声が上がった過労死防止法ができた」「今日を出発点に広く呼びかけ多くの人々に参加してもらい過労死をなくす取組みを大きく前進させていきましょう」と呼びかけました。

  続いて大阪労働局労働基準部の高井部長から来賓のご挨拶をいただきました。

  記念講演の粥川裕平先生(精神科医・名古屋工業大学名誉教授)「21世紀日本のメンタルヘルスと過労死防止」では、過労により、うつになり、死に至るということについて、話されました。人はなぜ働きすぎると精神疾患になるのかについて丁寧に説明された後、精神疾患を患うと自己を肯定する感情(自己肯定感)がなくなり、死に至る(希死念慮を伴う)ということについて,参加者にわかりやすく解説されました。そして過労死防止のためには長時間労働をなくすことが不可欠であることなどこれからの取組みに示唆に富む提言をいただきました。

  このあと、これまで過労死をなくす活動に携わってこられた地域を代表する方々4名によるリレートークを岩城弁護士の司会により行いました。まず、リレートークの4名の方々から、「これまでの過労死防止の活動」と、「今後の課題,過労死等防止対策推進法への期待」を語っていただきました。

  寺西笑子さん(全国過労死を考える家族の会 代表世話人)は、大阪からはじまった過労死防止の取組みについて語り、全国に先駆けた大阪の活動に期待を述べました。

  西野方庸さん(関西労働者安全センター 事務局長)は、法律が設置を義務付けていない50人未満の事業所にも産業医は必要という持論を展開したうえで、そういう事業所における産業医の役割について、国が予算化しているのにあまり知られていないし、ましてや利用されていないと指摘しました。法制定を踏まえ、「仏(法律)に魂をいれる作業」、「制度に魂を入れる活動」が求められている、と語りました。
 
  橋本芳章さん(NPO労働と人権サポートセンター・大阪 事務局長)は、労働相談に携わってきた者としての意見とともに、行政経験を活かし、「国、府、市町村一体で啓発を」と述べられました。

  北口修造さん(大阪労働健康安全センター 元事務局長)は、「産業医と医師会の意見交換」や「労働組合が職場から過労死を出さない宣言をすること」の必要性などを述べました。

  第2部の「過労死防止大阪センター結成総会」では、過労死防止大阪センター結成準備会の柏原より規約・基本方針・役員体制について提案しました。さらに川人弁護士の『過労自殺第2版』(岩波新書)を引用しながら、「一つ一つの取組みで救われる命は必ずある。活動を積み上げていけば多くの人の命が救われる…」、と述べ、この過労死防止大阪センターに広く多くのみなさんにご参加いただき、大阪から過労死をなくすための活動をスタートしていきたいと決意表明しました。また、過労死防止大阪センターとして、国や自治体と連携して、対策を後押しするための調査・研究や啓発活動、相談活動などを進めていくと述べました。

  規約・基本方針・役員体制を採択された後、友延幹事より「設立宣言」を提案採択されました。

  閉会の挨拶では大阪過労死を考える家族の会の小池江利さんより、夫を過労死で亡くした自らの経験を語り「家族を過労死・過労自死で亡くした遺族は、家族を救えなかった無念さ、後悔の念はいつまでも消えることはない。何としても自分たちと同じような悲しい思いをする人々をつくりたくない。」と過労死防止にかける思いと決意を述べるとともに、過労死防止大阪センターへの参加を呼びかけ結成総会を締めくくりました。

  これから大阪で過労死防止を願うすべての労働組合、市民団体、経済団体などに呼びかけて、国や地方自治体が行う過労死に関する調査研究の推進、教育・啓発、過労死予防・救済のための取組みに連携していきます。

 過労死がない社会を実現するための活動に、立場を超えて多くの人に賛同してもらい、共同してこ の大阪から日本から過労死という言葉が死語になるよう取り組んでいきたいと思います。

                                 2015年3月21日

                                     過労死防止大阪センター 事務局長
                                                             柏原英人
 

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