東京都労働委員会、社会福祉法人新に団交応諾の救済命令 (2/20)

東京都労働委員会、社会福祉法人新に団交応諾の救済命令
https://www.toroui.metro.tokyo.lg.jp/image/2020/meirei29-71.html

首都圏なかまユニオンが社会福祉法人新を被申立人とした事件について、2月20日、法人が、組合に対し、組合員の雇用契約の問題について団体交渉事項からの除外を求めたこと等は不当労働行為に当たるとして一部救済を命じました。


令和2年2月20日
東京都労働委員会事務局

新事件命令書交付について

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。
1 当事者 
申立人  首都圏なかまユニオン(東京都新宿区)
被申立人 社会福祉法人新(埼玉県狭山市)
2 争 点
⑴ 法人がXを29年7月20日付けで普通解雇としたことは、同人が組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるか否か。
⑵ 法人が、Xに対し、同人の勤務シフトについて、5月16日付けで、「話合いもなく契約の変更はできませんので4月1日付けの契約内容のとおりシフトを組むことといたします。」と通知したり、6月2日付けで、「貴殿自身の勤務のことや再契約のことは組合との問題ではありません。」と通知したりしたことは、組合運営に対する支配介入に当たるか否か。
⑶ 法人が、組合からの団体交渉申入れに対し、6月15日付「回答書」で、Xとの個別的な雇用契約の問題について交渉事項から除外するよう求めたことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。
3 命令の概要 <一部救済>
⑴  法人が、連続夜勤を禁止したことは相当な対応であったというべきであり、本件解雇は、Xが連続夜勤に固執して法人が指定した勤務シフトに従わないことを理由としてなされたものといわざるを得ず、同人が組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たらない。
⑵  5月16日付けの文書は、組合運営に対する支配介入には当たらないが、6月2日付けの文書は、法人が義務的団交事項について、Xと直接交渉することで合意を図ろうとしたものとみざるを得ないから組合運営に対する支配介入に当たる。
⑶  6月15日付「回答書」は、法人とXとの間の雇用契約の問題を団体交渉から除外することによる団体交渉の拒否に当たる。
⑷  上記⑵⑶について、法人に、組合に対する文書交付(要旨:不当労働行為と認定されたこと。今後繰り返さないよう留意すること。)を命ずる。
<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)

問合せ先
労働委員会事務局審査調整課
 

この記事を書いた人