<みなぶん>大好きな日本で孤立46% 全国12地方紙・外国人住民調査 紋別交流サロン「友達できた」 傷つく言葉「ばか」「黒い」 (2/25)

<みなぶん>大好きな日本で孤立46% 全国12地方紙・外国人住民調査 紋別交流サロン「友達できた」 傷つく言葉「ばか」「黒い」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/396242/
北海道新聞 2020/002/25 05:00

<みなぶん>大好きな日本で孤立46% 全国12地方紙・外国人住民調査 紋別交流サロン「友達できた」 傷つく言葉「ばか」「黒い」
(西日本新聞作成)

 外国人住民約300人を対象にした全国12地方紙の協働調査では、回答者の技能実習生(125人)のうち、46%が日本人に親しい友人がいないと答えるなど、住んでいる地域や社会との結びつきが希薄な現状が浮き彫りとなった。外国人の労働者が全国で増加する中、各地で受け入れ態勢の整備が急務となっている。

 調査では、ほぼ全員が「日本が好き」「日本に来て良かった」と回答したが、「日本人の親しい友人がいない」と答えたのは、全国で33%、道内(回答者82人)で41%だった。特に技能実習生が多く、職場と宿舎の往復のみで地域社会とのつながりが希薄な傾向が見て取れた。

 休日の過ごし方も質問しており、道内の技能実習生や留学生の回答は「部屋で過ごす」「寮で寝ている」などが多く、外出の機会が少ないことがうかがえた。

 調査の分析に協力した東京工業大の佐藤由利子准教授(留学生政策)は「日本が好きな人たちが来日しているにもかかわらず、言葉が通じず、相談相手が少なく孤立しがちな状況にあることが、今回の調査結果に鮮明に出ている」と指摘。「外国人労働者が、電話やメールでも気軽に相談できるようなホットラインの整備が必要だ」と強調した。

 水産加工場に多くの技能実習生が在籍する紋別市は、2018年5月に「国際交流サロン」を開設し、相談対応に加え、日本語教室やイベントも開催している。今回の調査では、紋別市の複数の技能実習生が「サロンで日本人の友達ができた」と回答しており、地域で交流の場をつくる効果が表れている。

 調査では、日本での生活で「言われて嫌だった言葉」も尋ねた。全国で最も多かったのは「ばか」で22人。「臭い」「黒い」といった差別的な言葉に傷ついたという告白もあった。

 ベトナムから来日して3年9カ月の男性(25)=埼玉県=は、内装工事で「何やっているんだ。ばかやろう」と怒られた。「みんな日本人より(外国人の方が)怒られやすい」と訴える。

 沖縄県のタイ出身の飲食店従業員女性(44)は「客に早口で話され、見下した対応をされると悲しく、悔しい」と回答した。道北のタイ人留学生の女性は「5歳児くらいの日本語のレベル」と言われてショックを受けたという。

 一方で、「言われてうれしかった言葉」は、「こんにちは」「ありがとう」「お疲れさま」が多かった。感謝の言葉やあいさつを大切にする日本文化が好意的に受け止められていた。 

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