朝日新聞 日本の労働力、2030年に950万人減 厚労省試算

朝日新聞デジタル 2012年7月23日

少子高齢化への今後の政府の対策がうまくいかないと、2030年の労働力人口は10年の約6630万人から約950万人減る、との推計を厚生労働省が23日まとめた。働く女性が増えてきたことなどを受け、減少幅は前回07年の推計(30年に06年から約1070万人減)よりも縮小した。
 
労働力人口は15歳以上で、働いているか、働く意思はあるが失業中の人の数を示す。国立社会保障・人口問題研究所が5年に1回見直している将来推計人口をもとに、失業率などを推計して厚労省の雇用政策研究会が試算した。推計人口は、今年1月に最新データが公表され、出生率が上方修正されている。
 
厚労省の推計では、労働力人口は、経済のゼロ成長が続き、若者の就労支援や高齢者の就業促進などの施策の効果がまったくない最悪のケースだと、20年は440万人減の6190万人、30年は5680万人になると見積もった。前回07年の推計では30年は約5580万人と見ていた。
 
最悪のケースのほかに、平均2%程度の実質成長率を実現し、かつ政策がすべて効果を上げた場合についても試算。こちらは20年に130万人減の6500万人、30年に370万人減の6260万人とした。
 
政策効果を実現して最悪のケースにならないよう、研究会はこの日、若者の就労や雇用創出企業の支援、人材育成や女性の働く場の改善などの雇用政策の必要性を訴える報告書をまとめた。

この記事を書いた人