女性活躍へあの手この手=推進法成立で支援加速

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509/2015092300208
時事ドットコム 2015/09/23

異業種の7社が共催したセミナーで、女性の活躍のため提言する営業職の女性(左端)=8日、東京都千代田区

 女性が働きやすい職場づくりに向け、企業が託児所を確保したり、社長自ら女性管理職の養成に乗り出したりする動きが出始めた。企業に女性登用を促す女性活躍推進法が8月に成立。今後、子育て支援やキャリア向上に、あの手この手で取り組む企業の動きが一段と進みそうだ。

 女性活躍推進法では、2016年4月までに、従業員301人以上の企業に女性管理職の割合など数値目標の設定と公表を義務付けた。企業の就業者に占める女性の比率は4割強(14年)だが、女性管理職は1割(同)に満たない。出産や育児を迎える30代での離職が多いことが一因だ。

 三菱商事は、職場近くの託児所などを確保し、認可保育施設に入れない待機児童を社内でゼロにすることに成功。ブリヂストンは育児休職者の情報共有を促すため、社内でインターネット交流サイト(SNS)を立ち上げている。

 三菱商事の泰田美賀子女性活躍・ダイバーシティ室長は、女性の活躍の場を広げるためには、仕事と家庭の両立支援策に加え、「キャリア形成への支援が必要だ」と指摘する。第一生命保険は7月、女性の支社長と部長計6人を対象に、渡辺光一郎社長自らが経営者としての心構えなどを指南した。野村ホールディングスも女性管理職らに対し、リーダーシップ向上の研修を行っている。

 個別企業の枠にとどまらない支援策もある。リクルートホールディングス、サントリーホールディングスなど異なる業種の7社は昨年から、営業職の女性のキャリア向上策を話し合うセミナーを共催している。1歳の息子を育てている日本アイ・ビー・エムの前田亜紀子さん(36)は9月のセミナーの後、「(女性が)制度をどう使いこなすかが重要だ」と訴えた。

 大学でも、出産や子育て後に職場復帰する女性の再就職支援に力を入れる動きが広がっている。明治大学は今年から、こうした女性を対象に、マーケティングなどを教える短期ビジネス講座を始めた。

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