横浜市共同参画推進協 脱「社畜」情報誌で特集 男性の働き方変え女性活躍/神奈川

毎日新聞2016年6月16日 地方版
http://mainichi.jp/articles/20160616/ddl/k14/040/126000c
  
 横浜市男女共同参画推進協会が発行する情報誌「フォーラム通信」の夏号に「脱『社畜』!」と銘打った特集が掲載され、話題を呼んでいる。市男女共同参画センターを運営する同協会が「女性が活躍するには長時間労働など男性の働き方を変えなければ」という問題意識から、あえてストレートな表現を使い、問いかけた。センターの図書館で6月末まで開かれている書籍の特集展示でも男性の生きづらさや働き方をテーマとする本に関心が集まっているという。【藤沢美由紀】

 フォーラム通信は年3回、各号1万2000部発行。話題の夏号は現在、駅や公共施設で無料配布されている。通常は主に女性の仕事や生き方を扱っているが、今年は「働き方改革」をテーマとしていることもあり、夏号では仕事に追われている若い男性にも届く内容を模索。巻頭の特集記事では「脱社畜ブログ」というブログを運営する男性へのインタビューを掲載し、表紙の写真もスーツ姿の男性を登場させた。インパクトの強い「脱社畜」という言葉を巡っては議論もあったが、「伝わらなければ意味がない」と表紙にも大きく掲載した。

 5月の発行以来、同協会には「取り上げてくれてうれしい」「『男は仕事だけが人生』という生き方に疑問を感じる」などと共感するメールが特に男性から多く寄せられ、懸念していた苦情や批判はないという。

 同誌内の書評コーナーでは「男が働かない、いいじゃないか!」(田中俊之著)など仕事について考える書籍を紹介。図書館内でも連動企画として「みんなが『活躍』できる働き方を考える本」をテーマに30〜40冊を展示したところ、貸出数が伸びているという。

 情報誌の特集を企画した同協会事業企画課の中川真奈美さんは、「今の働き方はおかしいと多くの人が思っているために反響があったのだと思う。働くことを否定するのではなく、男女ともに人生の中で働く意味などを考えるきっかけになれば」と話す。

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