「ウーバーイーツ」米責任者 “労働条件改善に取り組む” (11/8)

「ウーバーイーツ」米責任者 “労働条件改善に取り組む”
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NHK News 2019年11月8日 19時02分

一般の人が配達員として料理を客に届けるサービス「ウーバーイーツ」が日本でも広がる中、アメリカの運営会社の責任者が来日し、サービスの拡大にあたって配達員の労働条件の改善に取り組む考えを強調しました。

「ウーバーイーツ」はアメリカのライドシェア大手のウーバーが運営し、一般の人が配達員として料理や飲み物を専用のバッグに背負うなどして自転車やバイクで届けるサービスです。

日本では2016年以降、東京や大阪、名古屋など10か所以上で、1万4000を超える料理店で利用できます。

来日した統括責任者のジェイソン・ドロージ氏は8日、NHKのインタビューに対し、日本について「世界の中でも最も急速に成長している市場の1つで、今後利用できる地域を広げたい」と述べ、サービスを地方都市にも広げる考えを示しました。

一方、「ウーバーイーツ」をめぐっては、配達中にけがをする人もいて配達員側が働く条件の改善を求めて労働組合を結成する動きも出ています。

これについてドロージ氏は、「われわれのサービスは配達員が好きな時に働くことができるという柔軟な働き方ができるものだが、配達員が魅力を感じる補償や待遇も必要だ。先月、配達中の事故に対する補償も始めたが安全で効率的に働けるように対策を追加していく」と述べ、配達員の労働条件の改善に取り組む考えを強調しました。
配達員「融通がきくのがいい」
ドロージ氏は、都内でおよそ70人の配達員との交流会に参加し、「会社にとって配達員との関係が重要だ」と述べ、意見を交わしました。

このうち、子どもを育てながら配達以外にも飲食店でアルバイトをしているという37歳の女性は、「ウーバーイーツだと途中で家に帰ったり休んだりもできるので、融通がききます。生活費は本業にしているアルバイトで稼いで、プラスアルファの子どものお小遣いなどを配達で得ています」と話していました。
この女性は、平均すると1週間で20時間余り働き、数万円の収入があるということです。

また、副業で配達をしている50歳の会社員の男性は、「収入源を増やそうと思い仕事が終わった後や休日に配達していますが、空いている時間がお金にできていいと思います。配達が終わった帰り道に事故に遭ったこともありますが、自分自身で保険に入っていました」と話していました。
配達員は急増
「ウーバーイーツ」は、利用者がスマートフォンのアプリで注文すると、提携先の飲食店の料理や飲み物を配達員として登録した一般の人が店の従業員に代わって配達するサービスです。

アメリカのライドシェア大手のウーバーが運営していて、日本では3年前、2016年9月にサービスを始めました。

当初は、東京都内のおよそ150店舗が対象でしたが、現在は東京や大阪、名古屋、京都、福岡など、全国10か所以上の都市の1万4000を超える飲食店で利用でき、配達員もことし7月の時点で1万5000人と急速に広がっています。

配達員は空いている時間を使って好きな時に働くことができ、副業や兼業を行う人や個人事業主として働く人が増えていることがサービス拡大の背景にあると見られます。

しかし自転車などで配達中に配達員がけがをするなどしたことから、ことし10月、一部の配達員が労働条件の改善を求めて労働組合を結成しました。

会社側はこうした状況に対して、先月、配達中の事故でけがをした場合に治療費を25万円まで支払うなどの補償を始めた一方で、労働組合に対しては配達員は「個人事業主」であり、会社と雇用契約が無いとして交渉に応じていません。

一方、アメリカではウーバーが本社を置くカリフォルニア州でことし9月、「個人事業主」の定義を厳しくする法律が成立し、インターネットを通じて技術などを提供して収入を得る「ギグ・ワーカー」と呼ばれる人たちの一部について「従業員」として扱うようになり、企業に最低賃金の保障などが求められています。

日本でも社員の兼業や副業を容認する企業が増えたり、新たな働き方に関心が高まるなか、「ウーバーイーツ」のようなサービスがさらに広がるには、働く人たちの労働条件の改善をどう進めるかが問われそうです。 

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