関西電力 賃金未払い 時間外割り増し 労基署が是正勧告

毎日新聞2017年1月18日 大阪朝刊

http://mainichi.jp/articles/20170118/ddn/002/020/005000c

 

関西電力は17日、時間外労働に対する割増賃金の未払いがあったとして、大阪労働局天満労働基準監督署から昨年12月20日付で是正勧告を受けたと発表した。関電は高浜原発1、2号機(福井県)の運転延長を巡って、原子力規制委員会の審査対応をしていた課長職の男性が過労自殺し、福井労働局敦賀労基署からも今年1月6日付で指導を受けた。関電は労働時間の適正化を図るため、岩根茂樹社長をトップとする社内委員会を設置し、20日に初会合を開く。
 
 天満労基署は、関電本店で働く正社員6人が勤務時間外にメールを送信しているのが確認されたとして、未払い分の賃金を支払うよう是正勧告した。労働時間を適正に把握することや、過去の勤務実態の調査、過重労働による健康障害を防止する措置を求めた。
 
 関電広報室によると、本店社員の勤務時間について、自己申告と入退室時のタイムカード情報、パソコンの稼働時間の情報をまとめて管理職がチェックし、承認することになっている。天満労基署の調査では、承認された勤務時間外にメールを送信していた。


関電は「(是正勧告と指導の)内容を真摯(しんし)に受け止め、引き続き、適正な労働時間管理に努める」とコメント。指導を受け、本店の全社員の労働実態について速やかに調べ、天満労基署に報告するほか、社員のメールの送信状況についても調べる。また、6人については、速やかに未払い分の賃金を支払う。【宇都宮裕一】

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