柏原英人(全損保) 7月4日の第6回集いに参加して

  7月4日に「なくせ貧困!生存権と労働運動のかかわり方を考える」働き方ネット大阪の第6回つどいが開催されました。
 つどいは、会長の森岡孝二関西大学教授の開会のあいさつで始まり、大口耕吉郎さん(全大阪生活と健康を守る会事務局長)の報告「生活保護基準と賃金――生健会運動から」、つどい恒例のリレートーク「貧困と闘う現場から」、そして湯浅誠さん(自立サポートセンターもやい事務局長・反貧困ネットワーク事務局長)の講演「すべりだい社会からいかに抜け出すか」があり、最後に集会アピールを採択しました。会場を埋める156名の参加があり、閉会後の懇親会も大いに盛り上がりました。
 大口さんの報告からは、深刻な大阪府下の生活保護をめぐる状況(生活保護世帯が00年から2倍になり15万9533世帯に)、公的扶助(生活保護)の捕捉率の低さ(日本16〜20%、イギリス87%、フランス90%)等を知り、日本における貧困の広がりと対策のお粗末さについて大いに考えさせられました。また貧困をなくすために現場で力強く取り組んでいる生健会の運動を知ることができました。
 リレートークの中で官製ワーキングプアーとたたかう清掃労働者、派遣で働きながら組合活動もがんばる若者、生活保護を活用して働くシングルマザーの報告がありました。
 労働者の生活を見ようとせず経費の節減に走る行政、労働者の健康を破壊しながら利益追求にひたすら走る「優良企業」のすさまじい労働実態、生活保護を活用しながら頑張っていること等がリアルに語られ、困難な中でも元気にたたかっている姿に励まされました。同時に小説「蟹工船」をほうふつとさせる、利益を上げさえすればよいという企業に強い怒りも感じました。
 湯浅さんの講演では、社会から「溜め(ため)」が失われており、貧困の背景には五重の排除(教育課程からの排除、企業福祉からの排除、家庭福祉からの排除、公的福祉からの排除、自分自身からの排除)があることを知りました。貧困をなくすためには生活困窮者の「溜め」を拡大していくことが重要であること、そのためにめに社会資源の充実と同時に当事者の「居場所の確保」が必要であることも学びました。また、貧困の問題は単に貧困者の問題ではなく、正規労働者も含めて働く労働者に大きな影を落としており、みんなでネットワークをつくり改善していくことが重要だと感じました。さらに、日本では毎年3万人を越える人が自殺しており、先進国では際立って自殺率が高いことについて考えさせられ、「貧困は自分たちとはかかわりのないよそごと」で、「会社で正社員として働いている人には関係ない」ではすまされないことを思い知りました。
 貧困をなくすことはまさしく自らの職場や生活を改善していくことにつながっています。そのために幅広い人々が手をつなぎネットワークを作る。そのことが今まさに求められていると強く感じました。
 わたしの働く損害保険の職場でも毎年少なくない人々が病気で長期療養を余儀なくされ、残念ながら過労死ではないかと思われるような在職死亡が起こっています。また他と同じように職場はさまざまな職種で溢れ、講演の中で指摘されたように正規社員、非正規社員も互いに厳しい労働実態に置かれています。
 その現状を改善するために何をすればよいのか?今回の講演は、その方向性について示唆を与えてくれるものでした。湯浅さん、大口さん、リレートークのみなさんありがとうございました。
  働き方ネット大阪のつどい開催も6回になり、ホームページも開設から2か月でアクセスが1万をこえました。運動の前進を感じると同時にさらに局面を変えるような取り組みができればと思いを新たにした働き方ネット大阪第6回のつどいでした。

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