Uber、運転手が最低料金設定 カリフォルニアで試験運用 (1/22)

Uber、運転手が最低料金設定 カリフォルニアで試験運用
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54684240S0A120C2000000/
NHK News 2020/1/22 4:59

【シリコンバレー=白石武志】米ウーバーテクノロジーズは21日、ライドシェアサービスを担う運転手が自らの乗務の最低料金を設定できる新たな機能の試験運用を米カリフォルニア州で始めたと明らかにした。ネットを通じて単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」らを保護する州法が施行したのに伴う措置で、運転手の業務上の裁量を高めて同州法の適用を回避する狙いだ。

ウーバーはギグワーカー規制の適用回避を目指している=AP
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ウーバーはギグワーカー規制の適用回避を目指している=AP
ウーバーの広報担当者は21日、日本経済新聞の取材に対し、「現在、運転手が乗客に請求する料金をより詳細に制御できるように、追加の初期テストを行っている」と明らかにした。今後、数週間から数カ月かけて検証を続けるが、実際に州全域に新機能を拡大するかどうかは未定とみられる。

新機能の試験はカリフォルニア州のサンタバーバラとサクラメント、パームスプリングスの空港で始めた。運転手は自分が受け取りたい乗務の料金を自ら設定することで、希望よりも料金が低い乗客を回避できる。ただ、料金を高く設定しすぎると乗車回数が減り、待ち時間が長くなる恐れもある。

カリフォルニア州が1日に施行した「AB5」と呼ばれる新たな州法は、ギグワーカーを特定の例外を除いて従業員として扱うよう企業に義務付けている。ギグワーカーらを活用して成長してきたウーバーなどのライドシェア事業者にとっては、社会保障費などの負担が増える恐れがある。

ウーバーは自社のサービスを担う運転手について、新たな州法の下でも従業員には当たらないと主張している。ウーバーは1月上旬には同州の一部のライドシェアサービスについて料金の前払い制を廃止し、運転手らに対する報酬額の透明性を高める方針も明らかにしていた。
 

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