第258回 パートがこんな働かされ方であっていいはずはありません。

本HPの「トピックス欄」に、5月2日の「使いつぶされる労働者」という見出しの「高知新聞」の記事が出ています。最近、学生アルバイトのなかに「ブラックバイト」が増えていることが問題になっていますが、この記事で紹介されている二人の女性パートタイム労働者の働かされた方を読むと、さながら「ブラックパート」ではないかと思う人もいるでしょう。

一人は、高知市内のバス連行会社で、高速バスの社内清掃、トイレの汚物処理、窓ガラス拭きなどをしていた64歳の女性。仕事は朝5時半から午後4時半まで。契約書に就業時間の記載はなく、タイムカードも、残業代もなし。同僚からの嫌がらせの電話が毎晩のようにかかり、夜中の電話もあった。体重は7?落ち、円形脱毛症に。我慢が切れて職場で号泣。医師の診断は「うつ病」だった。

もう一人は高知市内のドラッグストアで、夕方から夜を中心に、レジで働いていた51歳の女性。店員12人のうち、正社員は店長を含む2人だけ。パートの多くは1カ月ほどで辞めていく。今年3月、消費増税前の駆け込み需要で店は大混雑で長蛇の列。気がつくとレジの台をガンガン殴っていた。病院に駆け込み、診察室で泣きわめいた。診断はやはり「うつ病」。勤め始めて3年半。時給は750円から1円も上がらなかった。

パートについては、きちんと決められた時間内に、自分のライフスタイルに合わせて働けると言われてきました。2008年まで出ていた内閣府の「国民生活白書」(2003年)は、「パート・アルバイトという労働市場の存在が、失業した場合に雇用を守るセーフティネット的な役割を担っている面もある。また、家庭の事情や個人の価値観など、自らのライフスタイルにあわせて働ける多様な働き方を実現していくためにも、パート・アルバイトの魅力は大きい」などと能天気なことを言っていました。

現在はもちろん、以前でもパートはこんな「魅力」的な働き方ではありませんでした。2014年3月の総務省「労働力調査」(「労調」)でみると、職場の呼称で言う「パート」の27%は週35時間以上働いています。女性パートに限っても週35時間以上が25%に上ります。つまり「パート」といっても3人に1人ないし4人に1人はフルタイム労働者なのです。

先の「労調」では、フルタイム女性「パート」199万人のうち、週43時間以上働く人は63万人、週49時間以上が20万人、週60時間以上が6万人います。昨年12月17日の日本経済新聞は、「ブラック企業、パート残業月170時間も 過酷労働浮き彫り」という見出しのもとに、厚生労働省が行ったブラック企業調査の結果を伝えています。「残業月170時間」は週40時間の残業(170時間÷4.3=39.5時間)に相当しますが、先の「労調」でも、1万人にもの女性パートが、週80時間以上働いています。これはパート残業月170時間の女性が1万人もいることを意味します。

異常なのは労働時間だけではありません。Yahooの「知恵袋」にはこんな質問もあります。「社会保険の条件は満たしていますが加入させてもらえません。ほぼ最低賃金です」と書き添えています。

ひとり暮らし フルタイムパートです。
勤務先(ブラック企業)月の給料額面12万……
先週も連続で体調不良で休む。
気鬱で会社に行くのがつらい。

ネット上にはこれに似た書き込みが溢れています。賞与なし、有休なし、昇給なし、社会保険なし、福利厚生なし、働きがいなし、尊厳なしの低時給の長時間労働で、しかも細切れ雇用の使い捨てと使い潰し。パートがこんな働かせ方であっていいはずはありません。

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