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森岡孝二の連続エッセイ
第30回 「名ばかり管理職」が今年の流行語大賞トップテンに
2008年の流行語大賞トップテンに、働き方ネットのつどいでも取り上げた「名ばかり管理職」が選ばれました。「蟹工船」と並んで社会問題を表す時事用語が二つも入ったことは、企業の労働者酷使に批判が高まっている昨今の世相を反映し […] -
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第29回 賃金不払残業の解消に向けての政府の取り組み
政府・労働省(現厚生労働省)が「サービス残業」という言葉を用いて、日本企業の年来の悪習である賃金不払残業の解消を表だって言い出したのは、過労死110番の開始から3年経った1991年のことです。この年の3月に、労働省が連合 […] -
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第28回 時間のちょろまかしのあの手この手
前々回、<「私的時間」という名の労働時間のちょろまかし>について書きました。これはサービス残業=賃金不払残業にほかなりません。厚生労働省によれば、賃金不払残業とは「所定労働時間外に労働時間の一部又は全部に対して所定の賃金 […] -
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第27回 休講脱線 今年の2月から5キロ太ったわけ
昨年12月から今年1月末まで6週間入院して、当初58キロあった体重が50キロになりました。持病の心臓弁膜症で胸部に溜まった水を食事療法と利尿剤で抜いた分だけ軽くなったのです。医師からは減った体重を退院後も維持するように言 […] -
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第26回 毎日放送の過労死ドキュメントが映像祭のグランプリを受賞
文化の日を前にした11月2日、関西大学において、第28回「地方の時代」映像祭2008の贈賞式が行われました。式当日、すでに発表されていた放送局部門の優秀作品6本のなかからグランプリに選ばれたのは、2007年12月9日放送 […] -
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第25回 「私的時間」という名の労働時間のちょろまかし
先週の週末、九州大学で開かれた経済理論学会の全国大会に参加しました。私が出席した分科会では、兵庫県立大学大学院経済学研究科の社会人院生の松浦章さんが、自らが従事する損害保険産業の労働時間管理について、興味深い報告をされま […] -
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第24回 過労自殺はホワイトカラーにとりわけ多い
1988年4月、大阪過労死問題連絡会は「過労死シンポジウム」を開催し、「過労死110番」と銘打って、労働者や家族から電話相談を受付けました。また同年6月には東京、大阪、札幌、仙台、京都、神戸、福岡で、過労死110番全国ネ […] -
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第23回 特講 ディーセント・ワークはなぜ定着しないのか
このブログの10月7日の「トピックス」欄には10月7日付で「本日は“ディーセントワーク”の日」という記事が載っています。国際労働組合総連合(ITUC)が呼びかけた「国際ディーセントワークの日」が10月7日だという解説も付 […] -
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第22回 ホワイトカラーとブルーカラー、どっちが長い?
ここ数回、性別、雇用形態別、年齢階級別の労働時間の違いについてみてきました。今回はホワイトカラーとブルーカラーの違いについて取り上げてみましょう。 戦前の日本社会では、ホワイトカラー(職員――社員と準社員)とブルーカ […] -
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第21回 休講脱線 「天声人語」と一茶の雁
今日の朝日新聞「天声人語」は、昨日、佐渡トキ保護センターで試験放鳥された10羽のトキ(朱鷺)について書いています。そのなかに<今日からは日本の雁(かり)ぞ楽に寝よ>という小林一茶の句が出てきます。いったん亡んで復活したト […] -
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第20回 二極分化の細かい話ですみません
前回は男女の労働時間の開きがだんだん大きくなっていく傾向を「労働時間の性別二極分化」と呼び、1970年代から80年代にかけてそれが顕著に進んだことを確認しました。この傾向は1990年代以降も、ゆるやかながら進行しています […] -
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第19回 労働時間の性別二極分化ってなに?
日本の男女の労働時間には大きな開きがあります。総務省「労働力調査」で2007年の平均結果を見ると、年間ベースの平均労働時間は男女計では2148時間ですが、性別には男性2348時間、女性1810時間で、538時間もの差があ […] -
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第18回 自分と向き合うことも容易ではありません
第16回(前々回)の話では、労働時間の実態は単純に男女計の平均を見るだけでは分からず、性別や年齢にこだわって見る必要があると申しました。 試みに、総務省の2007年「就業構造基本調査」から、男性正社員・正職員に占める […] -
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第17回 あなたの労働時間常識チェックテスト
前回から労働時間の部に入っています。いよいよ日本人の働きすぎの実態に分け入るわけですが、その入口で受講者のみなさんの労働時間知識を確認しておきたいと思います。そのために簡単な穴埋めテストを10問出します。下の解答欄を参考 […] -
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第16回 年間1800時間「実現」のからくり
いままで1日の生活時間をライフスタイルの問題としてとらえ、睡眠時間や自由時間についてみてきました。今回からいよいよ労働時間の編に入ります。 例によって数字の話で恐縮ですが、日本の労働者は年間およそ何時間働いてるのでし […] -
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第15回 休講脱線 十年一日小物狙いの釣り三昧
妻の郷里の小豆島に帰省しています。40年このかた、恒例のお盆休暇です。島の家は土庄町長浜といって岡山県の牛窓を臨む位置にあります。すぐ目の前に海が見え、間近に潮騒が聞こえます。東に数分歩けば小さな漁港があって、その波戸 […] -
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第14回 忙しいのは親だけではありません
親たちが忙しい日本では、子どもたちも学校の授業や、校内での課外活動のほかに、宿題や塾や家庭教師や習い事があって、忙しくしています。 昨日発表された文部科学省の「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」によれば、塾 […] -
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第13回 朝食は取らないことが多く、昼食は通常15分未満。
男性労働者のなかには、家事にまともに参加していないだけでなく、食事もまともな時間にはとっていない人が多いようです。 連合総研の調査「第15 回勤労者短観」(2008 年4 月実施)によると、勤務日に朝食を必ず食べている割 […] -
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第12回 知って行わざる家事労働のはなし
私が子どもの頃のことです。今は鬼籍に入った母は、私が何か注意をされて「わかっている」と言い訳すると、口癖のように「知って行わざるは知らざるに同じ」(貝原益軒)と言ったものです。今回は母からいかにもそう言われそうな、大切さ […] -
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第11回 休講脱線 ムックリコ、イゴイゴ、ノタリ、ヤットコセイ
昨夜10時頃、玄関ヨコの金木犀の枝を懐中電灯で見たら、羽化したばかりの透けた薄い青緑の羽根のクマゼミが4匹、じっと自分の抜け殻にぶら下がっていました。数日前から抜け殻が多くなり、朝はうるさいほど鳴声が聞こえるので、ひょっ […]