保育園長がモラハラか 行為を否定、職員と労働争議に 宮城・涌谷 (3/8)

保育園長がモラハラか 行為を否定、職員と労働争議に 宮城・涌谷
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202003/20200309_13017.html
河北新報 2020年03月08日日曜日

〔写真〕園長によるハラスメントがあったとして労働争議が起きている涌谷保育園

 社会福祉法人涌谷みぎわ会(宮城県涌谷町)が運営する涌谷保育園で男性園長からモラルハラスメントを受けたとして、保育士ら職員が職場環境の改善などを求め、園長と団体交渉をしていることが7日、分かった。保育園の運営を所管する町も事実を把握しており、調査を進めている。
複数の関係者によると、組合は7日、ハラスメント行為で職員が精神的な損害を被っているとして、改善などを求める文書を園長に提出した。
組合によると、園長は同園に赴任した2015年4月以降、園児の前で保育士を大声で怒鳴ったり、特定の職員を無視したりする行為を繰り返しているとされる。これまでに、園長のハラスメントを理由に複数の職員が退職したという。
職員らは昨年11月、労働組合を結成。処遇改善を目指す団体交渉の開催を要求した。園長が拒否したため、9日までに交渉をできなければ無期限のストライキ実施を通告していた。
河北新報社の取材に、園長はハラスメント行為を否定し「組合と団体交渉をしているのは事実で、保育園の運営を継続できるように尽力する」と話した。
(この記事は「読者とともに 特別報道室」に寄せられた情報を基に取材しました) 


【関連文献・情報】
□マリー=フランス・イルゴイエンヌ 著 大和田敢太 訳『モラル・ハラスメント 職場におけるみえない暴力』(文庫クセジュ)(白水社、2017年2月)

https://www.hakusuisha.co.jp/book/b278914.html
>内容説明
>モラハラ概念提唱者による有効な定義と予防策
>今日の自己愛的な社会の災禍を問題提起
>職場ハラスメントのメカニズム、その原因と結果、諸外国での取り組み状況を紹介し、職場のいじめ問題を解説。日本の現状にも言及。
>「この自己中心的な社会は、陽気や開放とはほど遠く、多くの恐怖を生み出している。(中略)これらの恐怖から、自己防衛にはしり、自分への疑心暗鬼に陥り、他人との関係での強直化をもたらし、しばしば、暴力を生み出すのである」(第六章より)
>職場でのいじめ問題は、当事者間の問題として位置づけられ、社会的な規制が等閑視されている。コミュニケーションやメンタルヘルスの問題として扱うことが、労働条件の問題や労使関係の問題に位置づける視点を曖昧にし、職場のいじめ行為自体が労働者の人格権や自由への侵害であることを見逃してしまう。その背景には、この問題が正しい処方を欠き、有効な規制制度と救済制度を社会的に確立しないまま、個人の心がけや個人的責務の問題にすり替わっているからである。
>本書では、職場のいじめをモラル・ハラスメントとして位置づけ、実効的な規制制度と救済制度の確立を提唱する。諸外国での取り組みを紹介しつつ、職場のいじめ問題について解説。日本の現状についても言及している。

□職場のモラルハラスメントをなくす会HP
http://www.morahara.org/index.html
>モラハラとは 言葉や態度による精神的な暴力・嫌がらせで、繰り返し行われることによって被害者を自殺や精神病に追い込むこともある重大な人権侵害です。
>モラハラの加害者はターゲットを孤立させ、問題の原因が加害者側でなく被害者側にあると被害者本人に信じ込ませるので、モラハラの事実は被害者本人にさえ認識されくい構造となっています。このため、被害者がモラハラを打開するためには、まず、自らの状況を客観的に見つめることが必要です。
>「職場で自分が受けているのはモラハラではないか?」「自分の被害を誰かに知ってほしい。」「被害を受けているが、どうしてよいか分からない」と悩んでいる方は、一度お電話ください。なお、個人情報が漏れることはありません。

 

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