仕事で「心の病」、労災申請が最多 13年度1409人

日本経済新聞 2014/6/27

 過労やいじめでうつ病など精神疾患を発症したとして、労災申請した人数は2013年度は1409人(前年度比152人増)で、過去最多を更新したことが27日、厚生労働省のまとめで分かった。労災認定は436人(同39人減)で4年ぶりに減少したが依然高水準にある。いじめや過重労働など職場環境の悪化が原因で発症した事例が目立った。

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 労災認定を受けた人のうち自殺者(未遂を含む)は63人(同30人減)に上った。過労死、過労自殺をめぐっては、国が対策の責任を負う「過労死等防止対策推進法」が成立し調査研究や啓発をすることになった。

 厚労省は「仕事上のストレスで医療機関でうつ病と診断される人が増えている。うつ病などを労災申請できるとの意識も浸透してきた」と申請増の要因を説明している。

 労災認定された人の発症の原因は「嫌がらせ、いじめ、暴行」と「仕事内容や仕事量の変化」がいずれも55人で最多。「悲惨な事故や災害の体験・目撃」(49人)、「病気、けが」(46人)が続いた。「セクハラを受けた」(28人)、「上司とのトラブル」(17人)も目立った。

 認定者を業種別にみると製造業が78人と最多。次いで卸売・小売業が65人、医療・福祉の54人が続いた。

 年代別では30代が161人と最多で、40代の106人が続いた。正社員が12年度に比べ58人減の375人だった一方、パート・アルバイトは9人増の26人、契約社員も9人増の20人だった。

 精神疾患とは別に、脳梗塞や心筋梗塞などで労災申請した人は58人減って784人となり、2年連続減少。認定は32人減の306人で、3年ぶりに減少した。認定された人の1カ月の平均時間外労働は「80時間以上100時間未満」が106人で最も多かった。

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