奈良県職員の自殺、労災認定 長時間労働、異動かなわず (5/24)

 奈良県職員の自殺、労災認定 長時間労働、異動かなわず

朝日デジタル 加治隼人、根本晃 2019年5月24日14時18分
 
写真・図版 亡くなった西田幹さんの写真を抱え、記者会見に臨んだ父の裕一さん(右)と母の隆子さん=2019年5月24日、奈良市、加治隼人撮影
 
 奈良県職員の西田幹(つよし)さん(当時35)が2017年に自殺したのは、長時間の時間外労働でうつ病を発症したことが原因だったとして、地方公務員災害補償基金県支部が、自殺を公務災害(労災)と認定した。遺族が24日、奈良市内で会見し、明らかにした。
 
 認定は今月17日付。遺族が公表した認定通知書によると、西田さんは05年に県職員に採用され、教育委員会の教職員課に勤務していた15年3月下旬、うつ病を発症した。砂防・災害対策課に異動した後の17年5月、自宅で自殺した。
 
 教職員課では職員の給与システムを担当。同僚に「(仕事が)しんどい」と話し、職場の面談でも「仕事がわからない。異動させてほしい」と訴えたが希望は通らなかった。15年3月の時間外勤務は約117時間に達し、この時期にうつ病を発症したという。
 
 1年後、砂防・災害対策課へ異…
 
 □奈良県職員自殺、公務災害と認定 長時間労働で鬱病発症
2019.5.24 11:44産経WEST
 
自殺した西田幹さんの遺影を前に、記者会見する両親=24日午前、奈良市
 
 平成29(2017)年5月に奈良県庁の主査だった西田幹(つよし)さん=当時(35)=が自殺したのは長時間労働で鬱病を発症したのが原因だったとして、地方公務員災害補償基金奈良県支部が、公務員の労働災害(労災)にあたる公務災害と認定していたことが24日、分かった。17日付。遺族が明らかにした。
 
 県などによると、西田さんは平成26年4月から県教育委員会教職員課で勤務し、28年4月に県砂防・災害対策課に異動。29年5月21日、自宅で首をつって自殺した。遺書はなかった。
 
 同支部は公務災害認定通知書で、西田さんが27年3月に鬱病を発症し、発症直前1カ月の時間外勤務が約117時間だったと認定。当時新給与システムへの移行などを担当しており、「業務量が多く、責任ある業務を1人で行っていた。質的に過重な業務に従事していた」と指摘した。発症後は業務負担軽減など県側の一定の配慮がみられるものの、対応が不十分だったとして、自殺と業務との因果関係を認めた。
 
 県は西田さんの自殺を受け、29年8月から職員の時間外労働を適切に管理するため、文書による超過勤務申請・許可システムを導入。事前に上司に文書で申請し、許可を得た職員のみが在庁して残業できる仕組みへと変えた。
 
 奈良市内で会見した父、裕一さん(65)は「公務災害の認定は息子に対するいい供養になる。今後については弁護士と相談して対応したい」と話した。
 
 また、荒井正吾知事は「自死を防ぐことができなかったことを県として非常に悔しく思う。この認定を真摯に受け止め、職員の働き方改革を引き続き進めてまいりたい」とのコメントを発表した。
 
 
□奈良県職員の自殺“公務災害”に認定 長時間労働で発症したうつ病が原因
MBSTVNews 更新:2019/05/24 12:08
 
 おととし、当時35歳の奈良県の男性職員が自殺したのは長時間労働で発症したうつ病が原因だとして、公務災害に認定されました。
 
 おととし5月、奈良県職員の西田幹さんが自宅で首を吊って自殺し、家族が長時間勤務などが原因だとして公務災害の認定を申請していました。その結果、地方公務員災害補償基金奈良県支部は24日までに、西田さんが自殺したのは長時間勤務によって発症したうつ病が原因と認定しました。その上で、うつ病を発症する1か月前の時間外勤務が約117時間にのぼり「対応が不十分だと言わざるを得ない」と指摘しました。
 
 「息子に対するいい供養になると考えています。県に対しては、息子を返してくれだけです」(亡くなった西田幹さん父親 西田裕一さん)
 
 奈良県は「認定を真摯に受け止め、職員の働き方改革を引き続き進めたい」とコメントしています。
 

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