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森岡孝二の連続エッセイ
第130回 嗚呼これが原発推進学者のインタビュー
この連載は、週1回の更新を目途にしています。それなのに昨夜に続いて今日また書くのは、今朝の朝日新聞の「インタビュー」欄に出ている三菱総研理事長・前東大総長・東京電力監査役の小宮山宏氏の談話に大きな疑問を感じたからです。 […] -
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第129回 広島・長崎を忘れなければ福島の惨禍はなかった
前回は大地震と大津波の後の東電福島第一原発の事態を念頭に、「原子炉の損傷事故と広島・長崎の被曝」について書きました。その意図は、事故発生から20日近く経つのに、日本のマスメディアでは広島・長崎の被曝と福島原発の被曝を関連 […] -
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第128回 原子炉の損傷事故と広島・長崎の被曝
3月11日の東日本大地震の発生以来、何人もの海外の親戚・友人・知人から見舞いのメールや電話をいただきました。『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(岩波書店、森岡孝二・川人博・肥田美佐子訳、岩波書店、2007年)の著 […] -
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第127回 『就活とブラック企業』(岩波ブックレットNo.805)が出ました
この3月の卒業予定の大学生の就職内定率が過去最悪になるのは必至な状況です。3月18日に発表された厚労省と文科省の合同調査によれば、2月1日現在の大学生の就職内定率は前年から2.6ポイント低下し、77.4%にとどまっていま […] -
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第126回 日本学術会議公開講演会で用いた配付資料です
3月10日(木)、日本学術会議講堂(東京、乃木坂)において、雇用・労働環境と働く人の健康と安全に関する公開講演会「雇用・労働と安全衛生に関わるシステムの再構築を――働く人の健康で安全な生活のために」が開催されました。学術 […] -
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第125回 アクセスが開設3年足らずで30万件を超えました
「この働き方ネット大阪」のブログアクセスが30万件を超えました。事務局のMLで過去録を見ると、スタートは2008年5月5日のようです。2009年9月3日に10万件に到達しています。2010年の夏、小豆島で事務局合宿があり […] -
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第124回 就活生は金太郎飴状態――学生のレポートより
《年度末の成績評価をしているなかで、最近の大学生の就活状況について考えさせられるレポートが目に止まりました。一部の表現を微修正のうえ、氏名を伏せてここに全文掲載します。》 就活生は、切っても切っても同じ、金太郎飴 […] -
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第123回 書評? 橘木俊詔 『日本の教育格差』
『週刊エコノミスト』 2010年9月14日号 橘木俊詔『日本の教育格差』岩波新書、800円+税 著者は『日本の経済格差』(岩波新書、98年)で格差と貧困が拡がっていることをいち早く明らかにした。そして『格差社会』(岩波新 […] -
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第122回 書評? 鈴木 剛 『社員切りに負けない!』
『週刊エコノミスト』 2010年6月22日号 鈴木 剛『社員切りに負けない!』自由国民社、1500円+税 あなたは勤め先での雇用に不安を感じていますか。あなたは退職勧奨、退職強要、解雇、合意解約の違いが分かりますか。 […] -
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第121回 書評? 熊沢誠 『働きすぎに斃(たお)れて』
『週刊エコノミスト』 2010年3月30日号 熊沢誠『働きすぎに斃(たお)れて――過労死・過労自殺の語る労働史』岩波書店 3200円+税 過重労働と健康障害に取り組む3人の産業医が『過労死』というタイトルの本を著し […] -
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第120回 若年労働者の雇用対策にもディーセントワークの理念を
昨年末の更新からずいぶん日にちが経ってしまいました。締め切りの過ぎた原稿に追われてのこととご了解ください。 前回は「雇用戦略対話」の「合意」を取り上げて、その「新卒者等雇用対策の推進」の項について評価しながら、「合意」に […] -
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第119回 「雇用戦略対話」の合意にみる雇用政策
「雇用戦略対話」という政府の諮問会議をご存じでしょうか。09年10月に鳩山前内閣のもとで決定された「緊急雇用政策」にもとづき、雇用戦略に関して、労働界、産業界と有識者が意見交換と合意形成を図ることを目的として設置され、菅 […] -
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第118回 書評? 日本経済新聞社編『大収縮――検証・グローバル危機』
週刊エコノミスト 2009年12月29日・2010年1月5日迎春合併号 日本経済新聞社編『大収縮――検証・グローバル危機』日本経済新聞出版社、 1700円+税 昨年9月15日、米投資銀行・証券大手リーマン・ブラザーズは、 […] -
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第117回 書評? スティーブン・グリーンハウス『大搾取!』
週刊エコノミスト 2009年9月29日号 スティーブン・グリーンハウス『大搾取!』(曽田和子訳、文藝春秋) 2095円+税 アメリカの職場は酷いことになっている。レイオフが繰り返され、締めつけが強まり、恐怖による支配が […] -
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第116回 書評? 鶴田満彦『グローバル資本主義と日本経済』
週刊エコノミスト 2009年7月21日号 鶴田満彦『グローバル資本主義と日本経済』 桜井書店、2400円+税 21世紀に入り「グローバル資本主義」を看板に現代資本主義論が新たな高まりを見せてきた。それがなにゆえかを教え […] -
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第115回 書評? 二宮厚美『新自由主義の破局と決着』
エコノミスト 2009年4月7日号 二宮厚美『新自由主義の破局と決着−−格差社会から21世紀恐慌へ』 新日本出版社、2200円+税 著者は10年前に同じ出版社から『現代資本主義と新自由主義の暴走』を出している。ほかにも多 […] -
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第114回 ブラック企業の見分け方、教えます
11月17日、エルおおさか(大阪府立労働センター)において、大阪過労死問題連絡会の主催で、「就活におけるブラック企業の見分け方」というシンポジウムがありました。そこでは、日本海庄や(大庄グループ)の新卒過労死事件に関する […] -
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第113回 来春卒業予定の大学生の内定率は過去最悪
前回の「脱線休講」の1回前に、「(1980年代末における)企業社会日本の完成は、実は企業社会日本の衰退の始まりでもありました」と書きました。衰退は、非正規労働者と失業者の増加にともなう、雇用の解体と賃金の下落に表れていま […] -
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第112回 休講脱線 ハヤブサから小動物の破片を採取しました
「はやぶさ」とひらがなで書けば、2003年5月9日に打ち上げられ、小惑星「ITOKAWA」に到着し、2010年6月13日に地球へ帰還した、宇宙探査機を思い浮かべる人が多いでしょう。でも今日の休講脱線は、野鳥のハヤブサの話 […] -
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第111回 正社員の誕生と企業社会日本の成立
前回は「正社員の誕生と日本的働き方モデル」について考えるなかで、今日使われるような意味での「正社員」という用語は、1980年前後に一般化したこと、またそれは「会社人間」という用語の普及と時期を同じくしていたと述べました。 […]