産経新聞 過労死防止法の早期制定を 弁護団全国連絡会議が総会 京都

産経新聞 9月29日(土)

  ■きょう、京都タワー付近で街頭署名
 
過重労働により心身が病んで死に至る過労死・過労自殺問題に取り組む「過労死弁護団全国連絡会議」の総会が28日、京都市東山区で始まった。この日は、議員立法による「過労死防止基本法」の早期制定を求める決議を採択。29日の総会終了後の午後2時から、京都タワー(京都市下京区)付近で街頭署名を行う。(小野木康雄)
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総会が京都で行われるのは、昭和63年に同連絡会議が設立されて以来初めて。28日は、25都道府県から過去最多となる弁護士約120人と、遺族ら約10人が出席した。
 
過労死防止基本法は、過労死・過労自殺を「あってはならないこと」と国が宣言し、併せて実態調査や総合対策を行うなどの内容。同連絡会議の弁護士らが草案を作成して遺族とともに署名活動を進めており、これまでに全国で約30万人分を集めている。
 
採択された決議は「過労死が社会用語となって四半世紀だが、過労死・過労自殺はいっそう広がりつつある」と指摘。「厳しい企業間競争の中、個別の企業が労働条件を改善するのは難しい。基本法の早期制定が必要だ」としている。
 
これに先立ち、同連絡会議幹事長の川人博弁護士(東京弁護士会)が、厚生労働省が定めた労災認定の基準や最近の訴訟に関する傾向と課題を解説。地元・京都の取り組みとして、古川拓弁護士(京都弁護士会)は遺族や大学生とともに月1回、勉強会を行っていることを報告した。
 
平成8年に夫=当時(49)=を過労自殺で亡くした寺西笑子(えみこ)さん(63)=京都市伏見区=は「遺族は過労死を二度と起こしてはならないという一念で活動している。弁護士のみなさんにもぜひ協力してほしい」と訴えた。

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