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森岡孝二の連続エッセイ
第70回 こんな時代に戻りたいと思いますか
近年、製造業で激増した派遣労働者の悲惨な働き方が問題になるなかで、小林多喜二の『蟹工船』が一躍ベストセラーとして甦りました。この小説では周旋屋によって募集されて船上のタラバガニ工場に送り込まれた労働者たちが、ついには過酷 […] -
森岡孝二の連続エッセイ
第69回 将来に禍根を残さない労働者派遣法の早期抜本改正を
9月30日、労働者派遣法の早期抜本改正を求める集会が国会内で開かれました。主催したのは年越し派遣村にも取り組んだ「労働者派遣法の抜本改正をめざす共同行動」です。 集会では、棗(なつめ)一郎弁護士が基調報告を行い、派遣切 […] -
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第68回 労働者派遣法の改正案を比較する
今回は労働者派遣法の見直しに関する民主党案を、社民党案、民主・社民・国民新党案(本年6月26日衆議院提出)、および共産党案と突き合わせてみることにしました。説明は次回にすることにして、とりあえずそれぞれの改正案の骨子を一 […] -
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第67回 サービス残業の解消を言わない民主党の労働政策
さきの総選挙における民主党の圧勝を受けて、自公民政権に替わって、民主、社民、国民新党の連立政権がスタートします。有権者の間には、新政権は国民本位の政治を進めてくれるのではないかという期待があります。 働き方ネットにとって […] -
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第66回 自治体の選挙業務に時給780円の日雇い派遣
今回の総選挙では派遣労働の規制が一つの争点になりました。にもかかわらず、全国各地の自治体では、各種の選挙業務に大量の日雇い派遣が利用されたと伝えられています。NHKニュースの不確かな記憶によれば、大量の派遣切りで経営が悪 […] -
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第65回 休講脱線 メジロしいスンズメエの巣の話
今年もお盆は小豆島で過ごしました。短い期間でしたが、思わぬ発見がいくつかありました。 その一つは家の裏の南天に作られた、直径7センチほどの小さなお椀のような巣です。インターネットで調べるとすぐにメジロの巣であることがわか […] -
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第64回 このままだと年間給与総額は10兆円の減収に
本ネットのトピックス欄に、今年6月に支払われた給与総額(残業代およびボーナスを含む)が前年に比べて7.1%減ったというというニュースが出ています。これは厚労省の「毎月勤労統計調査」という統計による報道です。 これを年間に […] -
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第63回 女性は失業率が高まって前よりもっと働くようになった
厚生労働省が7月31日に発表した6月の有効求人倍率(季節調整値)は0.43倍と、前月と比べ0.01ポイント低下し、過去最低を更新しました。また同日、総務省が発表した6月の「労働力調査」の完全失業率は5.4%と、前月と比べ […] -
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第62回 休講脱線 ニイニイゼミの分布の謎
昨年、7月17日の本欄の「休講脱線」に、蝉の幼虫の名前について書きました。そのなかで私の郷里の大分県ではニイニイゼミのことをコセミと呼ぶことも紹介しました。今回はその続きのような話をします。 子どもの頃、セミのうちでもっ […] -
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第61回 総合職の時給は一般職より低い?!
前回、ある大手生保のリクルート・パンフから、朝7時半に出社して、昼食休憩は30分しか取らず、夜8時に退社する模範社員を紹介しました。この会社では8時〜19時半の人もいるようですが、他の例も見てみると、男性の望ましいの働き […] -
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第60回 12時間働くことが売りの会社を嗤う
今日は所定労働時間(就業規則に定められた始業から終業までの時間)ついて考えてみましょう。 就活を終えた学生から金融業界の会社紹介パンフをいくつかもらいました。大手生命保険会社のパンフの所定労働時間(「勤務時間」)は、9: […] -
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第59回 昭和初期のサラリーマンユニオン運動
筑摩書房 PR誌『ちくま』09年6月号掲載 去る三月三〇日の「朝日新聞」に「サラリーマンの昭和史」というタイトルの二面にわたる記事が出た。そこに私のコメントが載った縁で、後日、この記事を書いた記者の一人の阿久沢悦子氏から […] -
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第58回 賃金切り下げ、残業激減が暮らしを直撃
昨秋以来の恐慌のなかで、給与所得の低下が労働者の暮らしを直撃しています。 厚労省「毎月勤労統計調査」によれば、今年2月、3月の全産業の労働者1人当たり現金給与総額は、前年同月比でマイナス3.9%、額では1万3000 […] -
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第57回 歓迎すべからざる非正規雇用者の減少
このところ失業の増大を示す統計数値が相次いで発表されています。 厚生労働省「一般職業紹介状況」によれば、2009年4月の有効求人倍率は0.44(前年同月0.89)でした。正社員にかぎれば0.27(前年同月0.54の半 […] -
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第56回 世帯所得は1998〜2007年で100万円も減少
厚生労働省は5月21日、2008年6月に実施した「国民生活基礎調査」を発表しました。それによると、1998年に544万円であった全世帯の所得の中央値(全世帯の所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分した境界値)は、 […] -
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第55回 失業統計からも切り捨てられている派遣労働者
昨年秋以来、派遣やパートなどの非正規労働者の解雇・雇い止めが急増するなかで、失業率の上昇が問題になっています。これまでのところ失業者の増大がとくに深刻なのは、未曾有の販売不振で生産が前年比3割減、ピーク比4割減と言われる […] -
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第54回 新連載を開始するにあたって
昨年5月12日の第1回から今年4月29日の最終回まで、ほぼ1年、全52回にわたって「働き方を考える」というテーマで書いてきました。最終回では、「連休明けからは現在空白の『オピニオン』蘭を借りて新しいシリーズを再開します」 […] -
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第53回 1年間ご愛読ありがとうございました。
この連続講座を開始したのは、昨年(2008年)の連休明けの5月12日でした。それからほぼ1年、「働き方」をテーマにおよそ週1回の割で掲載してきました。10日前後間が空いたときも何度かありましたが、12月に9回にわたって2 […] -
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第52回 あなたは何のために働きますか
「あなたは何のために働きますか」と問われたらどう答えますか。「なぜ働きますか」という質問であれば、たいていの人は「生きていくため」あるいは「賃金を得るため」と答えるでしょう。 同じような質問でも少し角度を変えて、「何 […] -
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第51回 『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書、近刊)の目次
ようやく小著 『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書、2009年5月10日発売予定)の校正を終え、あとは出版を待つばかりとなりました。広告を兼ねて目次を紹介しておきます。 序 章 恐慌が壊れた雇用を直撃する アメリ […]